さまざまなシーンでワンセグを楽しめるように──「SH903iTV」開発秘話ワンセグをスマートに、より美しく──「FOMA SH903iTV」 第3回(3/3 ページ)

» 2007年03月16日 10時00分 公開
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高級感あるデザインに込められたイメージ

Photo デザインセンターの水野理史氏

 ここまで見てきたように、SH903iTVはAQUOSケータイのDNAを継承しつつ、新しい機能を提案する各種機能を用意したわけだが、機能面に加えて、外観デザインでも新しいイメージを見せる必要があった。デザインを担当したデザインセンターの水野氏は「SH903iTVのデザインを考えるに当たって、まず一番特徴的な、ディスプレイを横に回転させたスタイルの佇まいがもっとも美しく感じられるのはどういったデザインか」を考えたという。

 「そこで、本体とダイヤルキーの関係を、テレビとリモコンの関係に見立てました。携帯のダイヤルキーではなく、テレビを使う、操作するコントローラーに見えるようにしてはどうかと思ったわけです。今までの、中央に十字キーがあって周囲にボタンが4つあるという“記号”はなくしたものにしました」(水野氏)

 一方で、円形の十字キー周りはとても特徴的なデザインになっている。このデザインの理由を水野氏はこう話した。「最近のオーディオビジュアルの世界では、映像に関連してBlu-ray DiscやHD DVDなどの“ディスク”のイメージがあると思ったので、それをワンポイントとして十字キーに採用しています。またAQUOSのレコーダーなどのイメージも重ね、ぱっと見て、すぐにシャープのAQUOSケータイだと分かるような記号を作りたかったのです。これによって、他のキャリア向けの端末とはだいぶ異なるテイストに仕上がりました」(水野氏) ちなみにディスク型の十字キーの周囲は青く光るのだが、この光が均一にまわるように、新規開発のシートを用いているという。

PhotoPhoto ダイヤルキー周りは、SH903iTV独特のデザインを採用。円形の十字キーはディスクをイメージしているという

 ボディカラーは、「AQUOSの高級感を表現しやすい色に」という理由で、Brown、Black、Whiteというシックなイメージにまとめた。想定しているターゲットユーザーの年齢層も若干高めで、シリーズとして大人っぽい仕上がりになっている。

 背面は、塗装とは異なる新しい質感を実現するべく、パネルの全面にインモールド成型を採用した。インモールド成型とは、金型にフィルムを挟み込み、射出成形時にパーツの表面にフィルムを転写する技術。通常は平らな表面にだけフィルムを転写することが多いが、SH903iTVでは側面にまでフィルムを回り込ませ、固まり感を表現している。

 「インモールド成型で側面にまでフィルムを回り込ませると、角の部分でフィルムが破けてしまうことがあります。これをいかに破けないよう成型するかが難しい。平らな面にだけ加工するなら比較的楽にできますが、立体でやるのはなかなか大変でした。でも、ディスプレイを縦にしたときも横にしたときも全体が美しい固まりに見えるよう、最後までこだわりました」(水野氏)

 この部分の加工については、開発陣の間でもっとも白熱した議論を行ったと大屋氏は振り返った。インモールド成型による背面パネルは、明らかに窓があるようなデザインにはせず、必要なときだけ有機ELで情報が浮かび上がるようにした。ただ、Whiteだけは全面をミラーのようにすると余りにもハードなイメージになりすぎるため、塗装のようなシルバー仕上げにしている。外部の光を反射しつつ、有機ELの光は透過するハーフミラーのような質感を出すのに苦労したそうだ。しかも、3色それぞれでインモールド成型のパネルと開いたときのボディの色合いを合わせる必要もあったため、とても大変だったという。

PhotoPhoto インモールド成型を用いた背面。BlackとBrownは全面を同一色とする一方、Whiteはあまりハードなイメージにならないよう、銀色のボディーにサブディスプレイ用の小窓が設けられている。ディスプレイを横向きにしても印象が変わらないよう、背面パネルは表面全体が同じ色になっている

 このほか、普段は見えないLEDが、点灯時のみディスプレイ横から浮かび上がったり、サイクロイドを回転する途中で見えるヒンジの裏側に、ひっそりと柄を入れてあったりと、上質な高級感を持たせているのも見逃せない。

 また水野氏は、美しく輝くSH903iTVのロゴが刻まれた金属パネルについてもそのこだわりを披露した。「Blackのパネルは、他の2色とはちょっと異なる加工を施しています。サイクロイドの回転や、車のホイールのスポークに反射した光が移動するような、回転するものに当たる光のイメージを表現しました。BrownとWhiteは、少し控えめにヘアライン加工になっていますが、こちらはロゴ部分が虹色に輝きます」(水野氏)

Photo ヒンジ部分にアクセントとして設けられたアルミパネルはBlackのみ独自の加工となっている

プリインストールコンテンツにもAQUOSならではのこだわり

Photo

 商品企画担当の福山氏は「実はプリインストールのコンテンツでも、細かなところまでこだわっている」と、SH903iTVだからこそ搭載されているコンテンツを教えてくれた。

 1つは着信メロディとして用意されている「G線上のアリア」。これはAQUOSの液晶テレビのCMで流れていた曲と同じようなイメージに仕上げられており、AQUOSの世界観を音で楽しめるというもの。もう1つは、やはり着信メロディの「Classy Room」だ。こちらは“上質な部屋”といった意味の曲で、AQUOSがある部屋をイメージさせる高級感ある曲をオリジナルで作成してもらったという。さらに「モンスターハンター」のメロディやきせかえツール用データなどもセットしている。

PhotoPhotoPhoto 液晶テレビのCMで流れていた曲と同じようなイメージで作曲されている「G線上のアリア」やAQUOSのある部屋をイメージさせる「Classy Room」といったAQUOSケータイならではのコンテンツも用意。「モンスターハンター」のきせかえツール用データもプリインストールされる

 このように、ワンセグを楽しむためのさまざまな機能と高級感・本物感のあるデザインを融合して生まれたSH903iTVだが、商品企画を担当した大屋氏は、「とにかくテレビを気軽に楽しんでほしい」と話す。「やはりワンセグ端末ということで、テレビ機能を使いこなしてほしいですね。ディスプレイを回せばすぐテレビが起動し、それまで使っていた機能を使いたくなったら[TV]キーで戻る。そういった“ながら”機能がSH903iTVの最大の魅力だと思います」(大屋氏)

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提供:シャープ 株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日