猫好きなので“どらメニュー”を作りました──美しさ+ユニークさを持った「W51S」「W51S」開発陣インタビュー(3/3 ページ)

» 2007年03月22日 11時33分 公開
[房野麻子,ITmedia]
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“押した感”が増したダイヤルキー

 使いやすさの面で重要なポイントとなるのは、ダイヤルキーの押し心地だろう。W51Sはわずかに凸形状になっているフレームレスキーを採用する。キーストロークはW43Sより若干深くなり、よりクリック感を感じられるようになった。

 「スタンダードモデルということで、さらに押しやすさを追求しています。キーの面積を大きく確保し、隣のキーとしっかりと区別できるような形にしました。また、W43Sと比べてコンマ2ミリ、キーストロークを深く取っています。薄型化にも挑戦していますが、そのような中でもキーの押しやすさは確保しているのです」(冨岡氏)

 「同じようにフレームレスキーを使った『W44S』を基本としていますが、クリック感が増すなど、より改善しています。ボタンはキートップと呼ばれている表面の樹脂のパーツと、中のシリコン部材でできていますが、全体の厚みは変えずに、トップの厚みを薄くしてキーストロークを深くしています。“押した感”がより伝わるようにしているのです」(安西氏)

photo 「キートップの周りをコンマ2ミリ下げたことで、トップの高さを取れた」(兼田氏)という凸形状のフレームレスキー

 ボディの厚みもW43Sが19.8ミリだったのに対し、W51Sは19.3ミリとさらにスリムになった。

 「“着せ替えパネルを止めたから薄くできたのでは”と思うかもしれませんが、メインディスプレイ側のボディをコンマ4ミリ、ダイヤルキー側のボディをコンマ1ミリ薄くしています。またW43Sは、裏面のバッテリー部分とサブディスプレイ部分との段差が1ミリあったのですが、W51Sではコンマ4ミリになっています。より握りやすくなったと自負しています」(安西氏)

“楽しいUI”と充実の内蔵コンテンツ

 メインメニューは、文房具のノートをイメージした白とブルーで統一。シンプルで使いやすく、ちょっとかわいい感じを狙ったといい、ハードウェアとインタフェースが融合して、W51Sの世界観を形作っている。また、時間や季節によってメニュー表示が変化する「ドラマメニュー」は、猫が主役の「どらメニュー」に変化した。

 「以前からのユーザーにはドラマメニューを楽しんでもらっていましたが、それの延長として“どらメニュー”を作りました(笑)。実は個人的に猫が大好きで、猫好きに気に入ってもらえるコンテンツを作りたいと思っていたのです」(神山氏)

photophoto ドラマメニューと同様、クリスマスや七夕などのイベント時には特別な画面に変化する。画面左に表示される「格言」はかなりユニーク

 新たに搭載された機能には「まちうけ文庫」もある。端末を開くたびに、ちょっとした豆知識や名言、英単語などが待受画面上に表示される機能だ。

 「ワンセグだったり高機能なカメラだったり、新しい携帯にはさまざまな機能が用意されています。ですが、これらの機能を使いこなせていない人は結構多いと思うのです。誰でも簡単に楽しめるコンテンツを作れないかと考えていて、そこで思いついたのが待受画面でした。待受画面をペットや子供の写真といった好きなものに変えることは、誰でも1度はやったことがあるはずです。この待受画面を使って何か面白いことができないかと考え、生まれたのが『まちうけ文庫』でした」(神山氏)

 コンテンツは、ニンテンドーDSの「常識力トレーニング」や、JR山手線の「山の手雑学60秒」など、雑学/豆知識系を意識してそろえた。ちょっとした暇つぶしや、飲み会で新しい友人とのコミュニケーションのきっかけとして使ってほしいという。

 「英単語はまず単語が出て、制限時間のラインが出て、その後に意味が出てきます。友人同士でクイズのように使ってもらえれば最高ですね。W51Sはプリセットコンテンツも力を入れて作っているので、買った日からかなり楽しめる端末になっています」(神山氏)

photophoto 名言や魚へんの漢字、ヨガのポーズなど、26種類のコンテンツをプリセット。「バカらしくも面白いというものをチョイスしてプリセットしています」(冨岡氏)

操作していること自体も楽しい携帯を

 どらメニューやまちうけ文庫のように、端末のメニュー画面や待受画面に楽しさをプラスする流れは確実にあり、代表的なものではカシオ計算機製の“ペンギンケータイ”(2006年9月22日の記事参照)がある。アデリーペンギンにファンがいるように、ソニエリのドラマメニューにもユーザーから熱いメッセージが届くと冨岡氏は話す。

 「“ドラマメニューをなんで止めちゃったんだ”と言われることもあります。こうしたユーザーの声は大変うれしいのですが、たとえ望みのものが入っていないとしても、どらメニューのように新しい提案をしていますので、そちらを楽しんでいただきたいと考えています。これからも面白いメニューやUIを次々と提案していくつもりです」(冨岡氏)

 携帯電話は今後、プラットフォームの統一化が進むにつれ、かなりの部分で仕様が統一される可能性が高い。その中でメーカーとして差異を出していくためには、メニューやデザインが重要なポイントになる。

 「“ソニー・エリクソンの端末は操作しているだけで楽しい”、と認知していただくことを目指しています。1日24時間、常に身体の30センチ以内にある電化製品は携帯をおいてほかにありません。だからこそ操作すること自体を楽しんでいただきたいと思うのです」(冨岡氏)

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