「J-SH51」の魅力に迫る（2）──転送も可能になったスーパーメール

写メールはアニメーションに進化

　J-フォン躍進の立役者である「写メール」機能もグレードアップする。J-SH51ではCMOSセンサーが31万画素に向上。感度も約2倍にアップしている。

　携帯の画面で見る分には，従来の11万画素でも解像度的には十分。増えた画素を使い，J-SH51ではVGA（640×480ピクセル）サイズの撮影に対応した。VGAサイズで撮った画像はSDカードに記録されるが，「サムネイルならば（端末で）見られる」（澁谷氏）という。

　モバイルモードと呼ばれる写メール用の120×160ピクセルの撮影も進化。デジタル4倍ズームが可能になった。撮影モードも，5Kバイト程度のファイルサイズとなるノーマルモードと，10Kバイト程度となるファイルモードが用意される（フォーマットはJPEG）。従来は同じピクセル数ながら5Kバイト程度だったから，大幅な画質向上だ。

　「5Kバイトの画像はロングメール対応機に写メールを送信するとき，10Kバイトの画像はスーパーメール対応機やPCに送信するときに使える」（澁谷氏）

　もう1つの大きな機能がアニメーションの作成だ。J-SH51，J-K51共に撮影した複数の画像をつなげてパラパラアニメーションを作る機能を搭載。J-5xシリーズの写メールの標準機能となっている。もちろんスーパーメールで送信することも可能だ。

　この機能を最も活用できるのは，J-K51だろう。J-K51は128×96ピクセルのサイズで6枚を続けて撮影する「連写モード」を装備（通常は128×160ピクセル）。アニメーションを作るのも簡単だ。データフォルダも3Mバイトという大容量を搭載し，メモリーカードこそ使えないものの大量のデータを保存できる。

漢字変換なども向上

　多くの新機能を説明してきたが，かな漢字変換などのソフトウェアもひっそりと進化を重ねている。J-SH51はついに予測変換に対応。「学習1文字変換」（澁谷氏）と呼ばれるもので，いったん変換を行うと，次からは頭の1文字だけで変換できるというものだ。

　また，これまで文字種を変更してから「リスト」ボタンを押す必要があった絵文字も，「＃」ボタンで表示される記号一覧から絵文字一覧にボタン1つで切り替えられるようになった。

　従来からSHシリーズの便利な機能だった「カナ英数変換」もバージョンアップ。これは漢字入力モードのまま，例えば「てすと」と入力してから「カナ数」ボタンを押すと，「テスト」「テスト（半角）」「４３４」「434」と変換できる機能だ（5月24日の記事参照）。J-SH51からはさらに英字への変換も可能になった。J-SH51の場合，モードを切り替えることなくちょっとした数字，英字，カタカナを簡単に入力できる。メールの作成などに威力を発揮する機能だ。

　J-K51は，モバイルWnn V2を採用。これまでの入力を学習し，1文字入力すれば予測して候補が出る入力文字予測機能を搭載。予測を早めたい場合は1文字，精度を高めたい場合は3文字と予測を始める文字数をユーザーが選択することもできる。さらに，一度入力した単語の前後関係を記憶し，次の文章を予測して表示する「関係予測機能」も搭載している。

向上点はこれだけではない

　細かな機能向上はまだまだある。J-SH51の背面ランプはこれまで“充電ランプ”だったが，ついに着信・メール着信時のイルミネーションに。これまで液晶下部に付いていたマイクも口元にくるようになった。バッテリー容量も向上している。

　よく使うメニューを登録できるショートカット機能も，J-5xシリーズは標準搭載した。

　盛りだくさんのJ-5xシリーズの機能を紹介してきたが，まだまだこれで終わりではない。Javaは“最大100Kバイトに拡大”ということしか明らかになっていないし，パケット通信の詳細も不明だ。今後発売が近づくにつれて，アッと驚くような機能が発表されるだろう。

　NTTドコモとKDDIは動画配信を始め（11月19日の記事参照，11月12日の記事参照），高速データ通信など“第3世代携帯電話の夢”として語られたケータイを投入する。それらは確かに今後のケータイに大きな可能性をもたらすものだが，ユーザーが今待ち望んでいるものかというと疑問だ。

　逆にJ-5xシリーズの機能拡張は，“今ユーザーが欲しい機能”。しかも写メールなどで培われたユーザー体験は，J-フォンが来年6月に導入を予定している第3世代携帯電話に必ずや引き継がれる。現在はメールの遅延などのトラブルも抱えているが，来年以降もJ-フォンの快進撃は止まりそうにない。

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[斎藤健二，ITmedia]

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