インターネット時代の知的パワーアップツール「ネタの種」徹底活用術(3/3 ページ)

» 2005年02月18日 00時00分 公開
[川越裕之,ITmedia]
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 複数の紙の内容を一つの紙にまとめる機能も用意されている。「テキストファイルの結合」のほか「HTMLファイルの結合」もサポートしており、テキストファイルの結合では、一覧リストから結合先の紙(テキストファイル)を選択して本文表示エリアに表示し、結合したい紙(テキストファイル)のアイコンをその画面上にドラッグ&ドロップする。ダイアログが表示されるので、「この位置に貼り付け」、「文末に結合」のいずれかを選べばOKだ(図10)。

図10:テキストファイルの結合機能を使えば、指定した位置に別のテキストファイルを結合できる

 HTMLファイルの結合では、結合先の紙(HTMLファイル)を「加工する」モードで表示したあと、IE上で結合したいページ部分を範囲選択して、ネタの種の本文表示エリアへドラッグ&ドロップすればよい。

長文作成にも効果アリ

 ネタの種は、レポートや論文など十数〜数十ページにわたる長い文書の作成にも活用可能だ。

 まず最初に、レポートや論文に使えそうなネタをWebページやEメール、一太郎やWord、Excel、PowerPointなどのファイルから見つけ出し、片っ端から箱に入れていく。当然のことだが、集めたネタは必要に応じて小箱に分類・整理しておこう。

 ところで、レポートや論文のように十数〜数十ページにわたる長い文書を作成する場合は、文書全体の流れを常に意識しつつ執筆作業を進めていく必要がある。

 文書の作成方法には、全体の構成を決めてから文章を書き始めるトップダウン方式と、各論部分の文章をまず最初に書き上げ、それらの順序や組み合わせなどを入れ替えながら1本の文書に仕上げていくボトムアップ方式があるが、ネタの種(およびネタの種と一太郎2005)を利用した文書作成では、どちらの方式にも対応可能だ。

 トップダウン方式なら、箱−小箱の階層構造を利用して文書全体の構成を決め、箱/小箱に分類・整理したネタを活用しながら執筆していく(図11)。ボトムアップ方式なら、各論部分を書き記した個々の紙の組み合わせや順序を入れ替えながら、流れのある文書にしていけばよい。

図11:ネタの種の箱−小箱の階層構造を利用すれば、トップダウン方式で文書全体の構成を決めることができる

 トップダウン、ボトムアップのどちらの方式でも、1本の文書にまとめ上げるときは、前述したテキストファイルの結合機能や一太郎との連係機能が利用できる。

押さえておくべき著作権への理解と配慮

 ところで、ネタの種を使えば有用な情報を手軽に入手できるようになるが、手軽に入手できるからといってなおざりにしてはいけないのは、著作権への理解と配慮だ。

 インターネットで公開されている情報を取得したり、取得したデータに編集を加えて利用したとしても、個人的に利用する限りにおいては問題にならない。ただし、「第三者にデータを配布する」といった場合には、著作権者の承諾が必要となる。

 ネタの種では、収集した情報に編集・加工を施し、一太郎ファイルやHTMLファイルとして出力することができる。このため、収集した情報を基に情報発信する場合は、著作権法第32条で定める「正当な引用」に関する留意も必要だ。

 他人の著作物(Webページもこれに該当する)の引用が正当と見なされるためには、以下の要件をすべて満たす必要がある。

  • 引用する量は必要最小限である
  • 著作者の意に反する改変がなされていない
  • 引用する著作物の出所が明示されている
  • その引用が必要不可欠である
  • 引用する他人の著作物があくまでも「従」であって、「主」ではない
  • 引用する著作物と自己の著作物とが明確に区別されている

 著作権法は昨年改正され、平成17年1月1日から施行されている。著作権法を管理しているのは文化庁著作権課で、文化庁のサイトには著作権に関する平易な解説も掲載されている。これを機に一度参照しておいてほしい。

 ちなみに、ネタの種を使ってWebページの情報を収集した場合は、紙の末尾にWebページのタイトルやURLが自動的に記録される。このため、後でどのWebページから収集した情報なのかを確認するのも容易である。

キーワードは“情報活用力”

 インターネットは情報の宝庫だが、その特性上、あとで参照しようと「お気に入り」に入れておいたWebページが更新され、参照したかった情報がなくなってしまうこともしばしば起こる。IEでWebページを丸ごと保存しておくこともできるが、前述したようにIEの機能は満足できるレベルではない。

 しかしネタの種があれば、気になる情報に出会ったときに、悩むことなくWebページを取り込むことができる。取り込んだ内容は、ブラウザで見たままの状態で再現してくれる。

 本稿ではWebページの情報を中心に紹介したが、前回のネタの種レビュー編で解説したように、Webページだけでなく、「Outlook Express」などのメーラをはじめ、「Word」や「Excel」といったアプリケーションのデータも手軽に収集できる。

 インターネットを利用している方は、インターネット利用者と非利用者では“情報収集力”に差が生じていると感じていないだろうか。大げさに聞こえるかもしれないが、今回、ネタの種を試用する機会を得て、ネタの種を活用して情報を収集・管理する人とそうでない人の間に、“情報活用力”に差が生ずるのではないかと感じた。

 こうしている間も、Web上の情報は変化している。一日も早いネタの種のある生活をお勧めする。

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