WiMAXとMoorestownで広がるモバイルデバイスの行動圏Intel Developer Forum 2007(2/3 ページ)

» 2007年09月21日 04時30分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

Montevinaの目玉となるかWiMAX

 だが、Montevinaの最も注目される特徴といえるのがWiMAXの標準サポートだ。エリア内の総合パフォーマンスこそWi-Fiに及ばないものの、カバー範囲が非常に広いため、屋外でのネットワークアクセスでは大きな力を発揮する。MontevinaではWi-FiとWiMAXの機能を統合したコンボカードが標準装備として組み込まれることになるため、Montevinaを導入したノートPCがWiMAXのサービスエリアに存在すれば、どこでもネットワークの利用が可能となる。

 Intelによれば、WiMAXをどのような形でプロモーションしていくか、また、どのような名称でブランディングしていくかについては、まだ検討中だとされている。だが、このプロモーションのために、業界パートナー数社を巻き込んで大掛かりなキャンペーンを展開する予定であるのは間違いないようだ。

 ただ、Wi-Fiのときと違って、WiMAXでは認可される周波数帯が国ごとに異なるなど、政治的事情が絡むことになる。そのためプロモーションの時期や規模が世界の地域によって大きく違ってきたり、パートナー企業が変わっていたりと、地域によってWiMAXに対する温度差が異なるとみられている。

 当初、世界で最もWiMAXが盛り上がるとみられるのがIntelのお膝元でもある北米であるのは間違いないだろうとして、日本でも大手携帯電話事業者のKDDIをパートナーに迎えてたことで、意外と早期に立ち上がる可能性が出てきた。その一方で、標準と異なる規格を採用して先行してしまった韓国のWiBroのように、互換性やパフォーマンスの問題が顕在化している例もある。

 WiMAXの実際の使用感について、Intelでは「Wi-Fiなどと同程度の消費電力」を想定している。超広域無線ネットワークだからといって、消費電力が特別多くなるわけではないようだ。サービスプロバイダとの契約が済んでいれば、屋内ではWi-Fi、屋外ではWiMAXといったように、スムーズに切り替えてネットワークを使用できるようになるだろう。

 気になるモジュールのコストについては、「Wi-Fiのみのモジュールと比較すると高くなるが、大きく変わらない水準を目指す」とこれまでも繰り返し説明されている。この言葉を信じるならば、ノートPCの価格全体に大きなインパクトを与えることはないようだ。これにより、Wi-Fiノートを購入する感覚で、WiMAX対応ノートも購入できるようになるだろう。

WiMAX推進のパートナー企業には、北米でWiMAXサービスを展開するSprintとClearwireのほか、携帯端末ベンダーやPCメーカーが名を連ねる
KDDIとの提携も発表したIntel。日本でのWiMAX市場開拓を目指す
2008年にはWi-Fi+WiMAXのコンボカードが登場し、Montevinaに標準搭載されることになる

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