もう1つ、重要な変更なのが対応するソケットの形状だ。従来の“Lynnfield”と“Clarkdale”では「LGA 1156」が用いられてきた。しかし、Sandy BridgeからはLGA 1155に対応する。わずか1ピンの違いとはいえ両者に互換性はない。Sandy Bridgeを使うためにはマザーボードの変更も必須になる。この変更と関連して、Sandy Bridge世代のCPUに対応するマザーボードでは、新しい「Intel 6シリーズ」チップセットが搭載される。
この記事が掲載される2011年1月3日の時点で、インテルはSandy Bridge世代のCPUで登場するラインアップを明らかにしていない。ただし、今回の性能評価で利用した「Core i7-2600K」と「Core i5-2500K」については、その製品情報を明らかにしている。プロセッサーナンバーが従来の3ケタから2000番台の4ケタとなったほか、末尾に“K”がついている。この“K”は、従来のCore i7-875KとCore i5-655Kと同様に、オーバークロックに対応したラインアップであることを示す。同時に、vPro、Intel TXT、SIPPといったビジネス向け機能や、VT-dといった仮想化技術に対応していない。
プロセッサーナンバー | Core i5-2500K | Core i7-2600K |
---|---|---|
TDP | 95ワット | 95ワット |
Core数 | 4 | 4 |
同時処理スレッド数 | 4 | 8 |
CPU動作クロック | 3.3 | 3.4 |
TBT有効時最大クロック | 3.7 | 3.8 |
メモリクロック | DDR3-1333MHz | DDR3-1333MHz |
3次キャッシュメモリ容量 | 6Mバイト | 8Mバイト |
統合グラフィックスコア | Intel HD Graphics 3000 | Intel HD Graphics 3000 |
ダイナミック・フリークエンシー(最大時) | up tp 1100MHz | up tp 1350MHz |
Hyper-Thread Technology | - | ○ |
Intel AVX | ○ | ○ |
クイック・シンク・ビデオ | ○ | ○ |
vPro/TXT/VT-d/SIPP | − | − |
AES-NI | ○ | ○ |
今回評価作業では、マザーボードとして「DP67BG」と「DH67BL」の2枚を用意した。DP67BGは「Intel P67 Express」チップセットを搭載し、DH67BLは「Intel H67 Express」チップセットを搭載する。
Intel P67 Expressは、PCI Express x16対応スロットで利用できるレーンを8レーン×2に分割して、CrossFireX、および、マザーボードベンダーがNVIDIAからライセンスを取得することで対応できるSLIといったマルチGPU環境を構築できる。一方、Intel H67 ExpressはPCI Express x16対応スロットで利用するレーンの分割はできないものの、映像出力インタフェースを装備してSandy Bridgeの統合グラフィックスコアが利用できる。
利用できるインタフェースでは、Serial ATA 6Gbpsがサポートされた(2ポート)。また、チップセットに接続するPCI Express x1レーンの転送レートがPCI Express 2.0準拠の5Gbpsとなったことや、これらのバスが高速化したことに対応するため、CPUとチップセットを結ぶDMIの帯域が拡張された。チップセットでサポートされたSerial ATA 6Gbpsだけでなく、PC周辺機器で普及しているUSB 3.0などインタフェースの高速化が進む中、このDMIの高速化が実は最も重要な強化ポイントといえるかもしれない。
今回、性能検証を行うSandy Bridge世代のCPUは、先ほども触れたように「Core i7-2600K」(定格の動作クロックは3.4GHz)と「Core i5-2500K」(定格の動作クロックは3.3GHz)だ。マザーボードも先ほど紹介したようにIntel純正「DP67BG」(Intel P67 Express搭載)と「DH67BL」(Intel H67 Express)を用意した。
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