以上、デジタルデータの一元管理とマルチデバイスでの利用について見てきたが、これらを実現するために重要なことは、巨大かつ容量増設に対応できるストレージ、そして耐障害性だ。
必要となるストレージの容量は今後ひたすら増え続ける。これに対し、必要なデータなのかどうかをその都度判断するというアプローチは、一時的には効果があるものの、時間と手間のかかる作業であり、判断ミスもありうる。もちろん、やみくもに残すのもただ無駄となる場合もある。例えば、テレビ放送をキーワード録画した結果、同じ番組をテレ玉とTOKYO MX、チバテレビで3本分保存してしまった場合など、明らかに削除してもかまわない場合もあるだろうが、「一度保存したデータは明らかに不要な場合を除いて削除しない」くらいの気持ちでもよいだろう。
どちらにしろ、今の容量ではそのうち足りなくなる、むしろ「足りなくなったら増やしていく」というスタンスで考えることをお勧めしたい。バリューゾーンのHDD容量も順調に増加しており、本稿執筆時で2Tバイトの「WD20EARS」が6000円前後で購入できる。その一方で前世代の1Tバイトモデル「WD10EADS」の買い取り価格は2000円弱。仮にWD10EADS4本でRAID5を組んでいた場合、全容量を3テラバイトから6テラバイトに倍増するためのコストは約1万6000円で済むことになる。
QNAP TurboNASシリーズはディスクの交換、容量増加に対応しており、サービスを止めずにディスクを1本ずつ差し替え、容量を増加させることができる。また、HDD障害発生時にRAID 1以上で構築してあれば、データを失うことなく、サービスも停止させずに故障したHDDを交換可能だ。このとき、HDDが同一モデルである必要はなく、そのときに入手しやすい、前モデルと同じあるいはそれ以上の容量を持つモデルであればよい。将来における入手性のよさも重要なポイントになる。
一方、ファイル数が多くなってくると管理が大変になる、という懸念があるかもしれない。だが、そもそも不要かどうかを判断せずにすべてとっておく、というやり方を選択した時点で、管理の目的のほとんどは「欲しいファイルを探し出せるようにしておくこと」になる。であれば「探し出す」という目的もPCにまかせてしまえばよい。
例えば、Googleデスクトップ検索に代表される検索ツールを導入することで、大量のデジタルデータを管理せずとも目的のものを見つけ出せる。画像も文字データを含むものであればPDFにしてOCRの結果を埋め込むことができるので、文字列による検索が可能だ。
今後、データ容量はますます増え、デバイスは高性能化し、ネットワークは高速化されていく。データフォーマットにしても、何がデファクトスタンダードになるかはまだ分からない。きたる未来のためには、新しいフォーマットがデファクトスタンダードになったとしても対応できるよう、DRMのない状態で、なるべく劣化の少ない形で保存をしておきたい。その保存場所、デジタルコンテンツハブとして、QNAP TurboNASは非常に有力な選択肢となるはずだ。
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