> レビュー 2003年5月28日 11:59 PM 更新

自由なアングルで撮影できる回転式レンズ搭載デジカメ
ソニー サイバーショットFX77 DSC-FX77(3/3)


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 背面にはズームレバーがあるが、もちろんデジタルズーム用。ただし、普通の画像をデジタル的に拡大するデジタルズームではなく、ソニーがスマートズームと呼んでいる拡大処理を施さない方式を採用している。400万画素モードではズームは効かないが、200万画素モードだと400万画素の画像の中央部200万画素分まではズームするという方式だ。1600×1200ピクセルモードでは1.4倍まで、640×480ピクセルモードでは3.5倍までのズームが使える。

 画像劣化しないズームではあるが、画像モードで拡大倍率が異なるというのはやや分かりづらく、400万画素モードで使う人には意味のないレバーといえるだろう。逆に、普段1280×960ピクセルなどのモードで撮る人には便利なズーム機能だ。


レンズ部がけっこう大きいため、レンズを回転させるとレンズとボディの間に隙間ができるのが面白い。ちなみにレンズが手前を向いているので、液晶モニタにはカメラのレンズが丸く写っている。液晶モニタはギリギリのサイズで1.5型。右手側にズームボタンがあり、その下に円形十字キーがある。このクリック付き十字キーの操作感がいまひとつなのは残念

 それ以外のボタンは、円形十字キーとディスプレイとメニューボタンだけというシンプルさ。十字キーには発光モード、マクロ、セルフタイマー、クイックレビューの4つが割り当てられている。メニューを表示するとそれが十字キーになり、中央のクリックボタンが使える。

 メニューで操作できる撮影機能はシンプル。露出補正、フォーカスの切り替え(0.5/1.0/3.0mと、粗い単位でマニュアルフォーカスもできる)、ホワイトバランス、測光モード、ISO感度などが用意されている。

 Bluetooth機能を使うときは、側面のBluetoothモジュールに付いているボタンを押す。すると青色LEDが点灯し「受信」「送信」「プリント」のメニューが出るので、目的の機能を選ぶ。もちろん回りに通信相手が必要だ。


Bluetoothモジュールのボタンを押して送信/受信/プリントなどを実行するとモジュールが働き、青いLEDが点灯する

 記録メディアはメモリースティックで、メモリースティックPROにも対応。バッテリはCサイズのインフォリチウムバッテリで、クレードルにセットすると充電される。

 クレードルを使えば、パソコンとUSBでつないで転送することも可能だ。クレードル背面のUSBスイッチをオンにしておくと、クレードルにセットしたサイバーショットFX77の電源スイッチを入れるだけでUSB転送モードになる。この場合は、USBマスストレージクラスとしてパソコン上にマウントされる。USBスイッチをオフにしておくと、USB転送はできないが、クレードルにセットしたままカメラを操作することが可能だ。


クレードルには液晶モニタを手前にしてセットする。USB転送などを行うときは本体のボタンを使う

 実は、本体にある端子はクレードル用だけ。この端子は専用ACアダプタと同じなので、ダイレクトにACアダプタをつないで充電することはできるが、USBでパソコンとつなぐにはクレードルが必須だ。

 こうしてみるといささかクセがあるデジカメのようだが、使ってみると実に素直で扱いやすい。特に胸からお腹のあたりでカメラを構え、液晶モニタを見下ろしながら正面を撮るという撮り方は、肘がしっかり身体にくっつくため手ぶれしにくいうえ、腕も疲れない。モニタを見下ろすので身体も楽で、人物を撮るときも、街の風景を撮るときも、小物を撮るときも、ちょうどいい高さになる。

 そのまましゃがめば動物や子どもも相手の目線で撮れる。レンズをさらに上に向ければ、ローアングルで見上げた写真も撮れる。この撮り方に慣れれば、約1秒で起動する機動力とあいまって、かなり楽しくいろんな写真を撮れるだろう。

 ただ、400万画素ということもあるが、単焦点デジカメにしては価格は高め。その辺で折り合いがつけば、予想以上に楽しめるデジカメのはずだ。

サイバーショットDSC-P8:作例

 このページの画像はWeb掲載用に加工してあります。リンクをクリックすると、手を加えていないオリジナルの画像を見ることができます。


回転レンズを活かして、公園の遊具を地面スレスレからローアングルで狙ってみた。逆光気味でコントラストが高いシーンだが、不自然な白飛びもなく、露出もきれいに決まっていて発色もよい。さすが400万画素という絵だ。絞り:F2.8、露出:1/125sec、露出プログラム:ノーマル(オリジナル画像はこちら


室内でマクロモードで猫の目を撮影。シャッタースピードはプログラムオート時の下限である1/30秒だが、ISO感度はオートにしていたのでISO320まで増感されている。だが、CCDが大きめなのとノイズがあまり目立たない被写体であることから、増感したとき特有のざらざらしたノイズは目立たない。なかなか優秀だ。ホワイトバランスも室内ながらきれいにあっている。絞り:F2.8、露出:1/30sec、露出プログラム:ノーマル(オリジナル画像はこちら

[荻窪圭, ITmedia ]

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