より高度なコンピューティングにチャレンジし続ける 〜JCS社長インタビュー〜(2/3)
岩本:大容量記憶装置とサーバを一つの筐体に収めたいというニーズは多く、それにお応えする形で弊社もRAID+サーバを開発しております。他社製品にも似たようなコンセプトのものがありますが、弊社製品は本来はそれぞれ全く独立した存在であるサーバ機とハードウェアRAIDコントローラを備えたRAIDサブシステムを一つの筐体に収めたというところが他社との相違点となっています。 最近ではより安価に大容量ストレージを追加するために、マザーボードのPCIスロットにRAIDコントローラを装着し、それにハードディスクユニットを繋いだだけのマシンをよく見かけます。確かにコストパフォーマンスは良いのですが、PCIスロットに装着されたRAIDコントローラは、OSに付属するドライバがないと使えません。 言い換えれば、使用したいOSによっては全く動作しないことも考えられます。またIDE RAIDコントローラやシリアルATAのRAIDコントローラの場合、ドライバはあってもOSやOSのバージョンによって、その安定性が十分保証できない場合も少なくありません。 そこで弊社では、サーバ機とRAIDシステムを切り離した上で一つのケージに収める方法をとっています。RAID部分は専用のRISCプロセッサベースのコントローラを搭載し、サーバ機とは分離された構造にし、OSに依存せずに運用できるようにしました。サーバから見れば巨大なディスク領域があるだけなのでOSの影響を受けずシステムとしての信頼性が高く、安定度も抜群です。 こうした他社との製品の差が生まれたのはどれだけ顧客の立場になって考えているかという開発スタンスに差があるからだと思います。いずれにしてもサーバには信頼性と安定性がもっとも重要なポイントですからね。
中山:御社は独創的な筐体のマシンを開発されていますね。 岩本:弊社の開発にあたる上で具体的な指針ですが、一つ他社と違っている点があります。それはケースとマザーボードを分けて考えていることです。例えばAというサーバボードとBというラックマウントケースがあったとします。その時AというサーバボードをBというラックマウントケースに入れることが構造的に不可能であった場合、通常は入れることはできないという判断になりますが、弊社の場合ケースを自社で改造することでその不可能を可能にします。 また、基盤のレイアウトや、ケースに収めるときのネジの位置やコネクタ、インタフェースの場所などの微妙な違いで、改造では対応できない場合はBというケースと同等な機能をもった新しいケースをたとえ1台であってもお客様からの要望があれば弊社で製作してしまいます。 また、冷却性能を向上させるためにFANを別のものに変更したり、電力に余裕を持たせるために電源ユニットを別のものに取り替えたり、あらゆるカスタマイズを行います。 弊社ではそうしたカスタマイズを施した後、徹底的な試験稼動を行います。サーバにとって最も重要なCPU、メモリ、ハードディスクに対して特にシビアな条件を課しています。CPU負荷100%の試験を長時間にわたって実行した上で出荷をしておりますので、他社の製品と比べて安定度は高いはずです。 先ほども申しましたが、開発に当たって弊社が心がけているのは、いつも次世代を見据え常にチャレンジする姿勢です。それに向かって進んできたこれまでの道のりは決して楽ではありませんでしたが「やりがい」といった部分では大きな満足感を得ています。これからも、この姿勢を崩さずに進んでいきたいですね。
中山:最近ですとHPCに力を入れているようですが。 岩本:HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)というのは簡単に言うとスーパーコンピュータです。コンピュータの歴史は、ダウンサイジングの歴史です。 [中山一弘(ユータック), ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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