“銀塩”譲りのダイナミックレンジ――新ハニカム“SR”「FinePix F700」(3/3)そのほかにも、CCDからの情報をそのまま記録する「CCD-RAWモード」、多彩な連写機能、オート/プログラムAE/シャッタースピード優先AE/絞り優先AE/マニュアル露出がモードダイヤル一つで簡単に選べるなど、その撮影機能はハイエンド機並みだ。
多彩な撮影モードがダイヤル一つで選べるのは便利。ただし、人物/風景/スポーツ/夜景から選べるSP(シーンポジション)モードは、ダイヤルに絵が書いてあるにもかかわらず、設定は液晶画面で行うという不可解な仕様。間違えてダイヤルを力任せに回してしまうユーザーを配慮してか、但し書きのシールが貼られている 沈胴式のズームレンズは起動時にかなり前に飛び出すカタチとなるが、専用ASICを使用した画像処理システムなどで起動時間/撮影間隔がいずれも約1.2秒と高速レスポンス仕様になっている。ズームは光学3倍・デジタル2.2倍で、開放値がF2.8からと明るいレンズを採用している。
沈胴式のズームレンズはかなり前に飛び出すが、起動時間自体は高速。レンズはF2.8からと明るい F700の撮像素子は、カタログスペック上は1/1.7インチ有効620万画素となっている。だがこれは、新CCDのSRが感度が高い「S画素」と、ダイナミックレンジを広げるための「R画素」をそれぞれ約310万画素分備えているため。S/R画素を加算して最適化するため、実質は1/1.7インチ有効310万画素で画作りを行っているといってもよいだろう。
プログラムAE、1/125秒、ISO400、F2.8 近年の300万画素クラスのコンパクト機の多くが1/2.7インチCCDを採用しているのに対して、F700は2倍近い大きさのCCDを、高画質のために“贅沢に”使っているわけだ。同社お得意の独自ハニカム信号処理によって、記録画素数は最大2832×2128ピクセル(約603万画素)の画像を撮影できる。だが、これをもって「6メガピクセル機」と呼んでいいかは、意見の分かれるところ。新たな“ハニカム画素論争”に発展するかもしれない。
小型軽量ボディながら、背面の1.8インチの大型液晶は某社のCGシリコンディスプレイを採用。富士写らしくない?横長のボディスタイルは新鮮。F700は、ボディスタイルでも同社の新境地を開拓しようとしている
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