> レビュー 2003年10月28日 02:39 AM 更新

1GHzになったワイド液晶のコンパクトマシン――FMV BIBLO LOOX T70E(2/3)


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ワイド液晶は思いのほかモバイルでも使える

 試用した当初は、「モバイル向けのノートPCでワイド液晶の必要があるのだろうか」とやや懐疑的に思っていたが、実際に使い始めてみると、あまり気にならない。

 また、本体の大きさもほかのモバイルノートと比べてさほど大きいというわけでもないので、横幅が広いことは思ったより気にならなかった。液晶パネルは10.6インチなので、1280×768ピクセルを表示させると文字が小さくなって厳しいのでは、とも思ったのだが、見づらいと言うほどではなかった。少なくとも、以前に使用していたLibretto L5(1280×600ピクセル、10インチ)あたりの液晶に比べれば文字が小さすぎるという感じはない。

 では、モバイルPCとしてこのワイド液晶搭載が正解だったのかというと、それも少々疑問が残る。

 というのは、LOOX T70Eに搭載されたワイド液晶は、最近流行の表面がテカテカしているスーパーファインパネルを採用したものだったからだ。ワイドが問題なのではなく表面が反射しやすいという別の問題が、モバイルという場では顕著に現れた。

 もともと、この種の液晶は見る場所によっては画面に映り込みが生じることがあるのであまり好きではないのだが、持って移動するモバイル用途では外光の条件が次々に変わり、その映り込みを自分では制御できないために、かなり見づらい。

 そのうえ、外部電源から内蔵バッテリーに切り替えると、LOOX T70Eでは「Indicator Utility」という機能が働いて、輝度を自動的に落とすようになっている。表面が反射しやすくても画面の輝度が高いうちはさほど映り込みも気にならないのだが、バッテリー駆動に切り替えて輝度が落ちると、とたんに気になり始める。

 もちろん、輝度を手動で上げることも可能だが、それではバッテリーの消耗が激しくなるし、そもそも本末転倒だろう。筆者としては、わざわざこのような液晶を使わないでも、反射の少ない通常の液晶で十分ではないかと思う。

小さいながらも高い性能

 さて、ベンチマークの結果を見てみよう。


PCMark2002でのベンチマーク結果


3DMark2001 SEでのベンチマーク結果

 サブノートクラスとしてはグラフィックス性能を除けばまずまずの結果だろう。グラフィックス性能については、チップセット内蔵の機能を使用しているため、専用チップを使ったものとはかなり差があるが、これは致し方ないところだ。

 もうひとつ、モバイルPCで気になるバッテリー性能を測るために、フル充電状態から内蔵DVD MultiドライブでDVDビデオを連続再生させてみた。結果は3時間35分でバッテリー低下の警告が表示され、その10分後にシャットダウンした。

 標準で搭載されるバッテリーは「内蔵バッテリパック(L)」だが、カタログによればこのバッテリーのJEITA測定法(1.0)での動作時間は約6.0時間となっている。

 ビジネスアプリケーションを使うような場合には、DVDビデオの連続再生と違ってもう少しバッテリーが保つだろうから、この数値は妥当なところだろう。出先でメモを取った原稿を書いたりするために使用してみた範囲では、一度フル充電してしまえば丸一日持ち歩いてもバッテリーがなくなるような気配すらなかった。

 さらに長いバッテリー駆動を望む人には、着脱式のCD/DVDドライブを外し、オプションの内蔵バッテリーを装着することで、バッテリー駆動時間を10.9時間まで延ばすこともできる(JEITA測定法1.0による)。ただし、出先でDVD-RAMが使えるというのはけっこう便利なものなので、ドライブを取り外すことなく外部に大容量のバッテリーが使えるような選択肢があるともっと嬉しいかもしれない。

 標準で付属するLバッテリーではなく、オプションのもっと軽いバッテリーパックに交換することはできるのだが(当然バッテリー保持時間はJEITA測定法で標準添付のバッテパック(L)の6時間から3時間に低下する)、その逆に大容量にする方法は用意されていないのが残念だ。

 このほかにモバイルパソコンの使い勝手を決める重要な要素としては、キーボードとポインティングデバイスがあるが、これはどちらも良好であった。キーボードはEnterの左にあるキーがやや変則的なものの、キータッチは悪くないし、小さすぎて打てないというほどでもない。

 チャットや原稿執筆に使ってみた限りでは、デスクトップ並みとまでは言わないが、モバイルタイプのノートPCとしてはストロークもまずまずで、まずは普通に使えるキーボードであった。また、タッチパッドの反応も標準的なレベルであろう。ただし、ボタンの位置がやや下のほうにあるため、膝の上に置いて使う場合には少し不安定になるのが気になった。


T70EはDVD Multiタイプ、T50EとT50E/WはCD-R/RWとDVD-ROMのコンボドライブを搭載


キーボードはやや変則的だがまずまずの使用感


SDカード&メモリースティックが読めるスロットもある

[河野寿, ITmedia ]

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