> レビュー 2003年10月27日 04:49 PM 更新

自動スパム排除がなかなかの認識率――優位性を見いだした「Eudora 6J for Windows」(3/3)


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もはや基本機能で欠いているものはない

 Eudora 6Jを使う上でメールソフトとしての基本機能で不自由することはないだろう。セキュア認証であればSSLにも対応されており、SMTP-Authでは「CRAM-MD5」、「LOGIN」、「PLAIN」も網羅する。基本的な平文やAPOP、Kerberos、RPA認証はもちろんだ。ほかにもマルチアカウント、Windows XP環境でのマルチユーザーにも対応している。

 多彩なフィルタ機能も従来バージョンから継承されている。6Jでの進展はないが、受信したメールを元に右クリックですぐにフィルタ条件を作成できたり、条件を特定フォルダに即反映させることが可能だ。

 「コンテンツ コンセントレーター」と呼ばれる機能は、6Jで新採用されたものだ。これはメールの一覧性を目的としたものであり、プレビュー時に引用行が多い際、1画面に収まるように途中の行が「...snip...」と書かれて省略される。もちろん元のメッセージは保持されており、元のメッセージをを手軽に表示させることが可能だ。

 ただし強いて言えば不満もある。それは大量にフィルタ設定を行った際、昔の条件を編集したいと思っても探し出すことが困難な点だ。ぜひともフィルタ条件による検索機能が欲しいところだ。Outlook 2003やMozilla Mailなども未搭載なため、フィルタに約100条件以上を設定するユーザーは少ないのだろうか。


画像5■最大5条件に対応する検索機能

 メールソフトに何千通というメッセージがたまってくると、Outlook ExpressやOutlookの起動時間はみるみる遅くなってくる(Outlook 2003では改善されたが)。そのために古いメッセージを待避させる機能があるものの、MLの検索をすばやく行いたいなど、すぐにでも見られる状態にしておきたいことも多い。

 Eudora 6Jでは、テキストファイルで個々のフォルダ内のメッセージを管理するためか、Outlookのようにメッセージを独自形式のバイナリで管理するものに比べ処理が軽い。これは大量にため込むほど実感するため分かりづらいかもしれないが、意外と見逃せない点だ。

 かつて「MacOSのメールソフトといえばEudora」といわれるほど、Eudoraはメールソフトの代名詞な存在だった。しかし、最近ではOutlook Expressなどフリーで入手可能なソフトが増えたため、EudoraはWindowsばかりかMacOS環境でさえ苦戦を強いられている。いまさらメールソフトに投資をしたくない、そう考える人は多いだろう。フリーで配布されたOutlook Expressによって、ここ5、6年でユーザー認識が様変わりしたのは事実だ。

 しかし2003年10月現在、スパム排除機能を持つ代表的なメールソフトとしては、Becky! InternetMail(シェアウェア4000円)+プラグイン、Outlookであれば最新のOutlook 2003に搭載されているものの、Outlook Expressには未搭載である。それに対して、Eudora 6Jのオンライン版価格は5800円だ(通常パッケージは7800円)。今後発表されるであろう次期Outlook Expressが気になるものの、現状での費用対効果は大きいと思う。スパムに悩んでいる人には検討する価値があるだろう。

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関連リンク
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▼ Eudora 公式サイト
▼ エッジ

[木田佳克, ITmedia ]

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