ソフトによる差別化2
ユニークなdynabookの企業向けソフトソリューション（2/3）

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東芝マネージメントコンソール

　システム管理者の負担を軽減する東芝独自のデスクトップ管理ツールが「東芝マネージメントコンソール（TMC）」である。クライアント用コンソールプログラムが企業向け製品にのみバンドルされている。

　クライアント用コンソール単体では、マシンの管理情報、ハードウェアやソフトウェアの各種情報の表示とエクスポート、障害監視機能を提供する。

　クライアント用コンソールに管理者用コンソールを組み合わせることにより、システムのシャットダウン、再起動、Wake-up on LAN、ソフトウェア配布、BIOS更新、各種クライアント情報のエクスポート、障害監視結果のリモート通知といった機能をネットワーク経由で提供する。ハードウェアの詳細な設定やPCの機能と密接な関係を持つ詳細な設定をリモート管理、保存できるのが大きな特徴だ。BIOS更新までをサポートしているコンソールは少ないだろう。

　両コンソールを有効に使用することにより、クライアントマシンの一元管理を図ることができ、システム管理者の負担軽減、およびシステム全体のコスト軽減に貢献するだろう。

　こうした機能を実現するには、最低限、BIOSとエージェントを並行開発する必要があるが、いずれも自社で開発している東芝でこそ可能なものだ。

　管理者用のコンソールは、企業向けに東芝が無償提供する。Webなどでの配布は行われていないが、営業部門などを通して入手が可能という。デスクトップ管理ツールを用意しているPCベンダーは多いが、前述のようにハードウェアと密接に関連した機能や、ソフトウェアのネットワーク配布といった高度な機能を提供するものは少ない。またCIMに準拠しているため、クライアント側のマシンにコンソールがインストールされていなくても、一般的なアセットマネージメントの範囲内であれば、他社製PCを同時に管理することも可能になっている。

PC診断ツール

　マシンの製造番号や詳細なモデル番号を伝えることは、PCのサポートを受ける際に非常に重要なこと。しかし多くのユーザーは使用しているPCのメーカー、あるいは大まかなモデル名は知っていても、サポートに必要な情報までは把握していないことが多い。

　東芝の調査によると、それらの基本情報を調べるだけでも、電話サポートでは数分の時間を要するという。PC診断ツールは、それらの情報を手早くチェックできる上、プロセッサ、メモリ、ハードディスク、ネットワーク、モデム、PCカードなどのテストも実行可能なWindows上のアプリケーション。この秋・冬モデルからは、ユーザーインタフェースも改善。ConfigFreeライクなフレンドリーなユーザーインタフェースとしている。

BIOS Package

　かつてDOSからの起動が前提だったBIOS更新プログラムは、Windows 2000/XPにおいてはフロッピーディスクが必須だった。近年、これは仮想フロッピーと呼ばれるテクニックを用い、フロッピーディスクドライブが不要となっているが、物理的なドライブが不要となっただけで基本的な更新プロセスは変わらない。

　しかし東芝のBIOS Packageは、Windowsで起動されるプログラムの中でBIOSの内容を書き換えるため、再起動してDOSのキャラクタインタフェースが現れることなく、一回の再起動でBIOSの更新を完了できる。1台ごとであればさほど手間は変わらないが、大量のクライアントを処理しなければならない管理者の視点で見ればその差は大きい。

ピークシフト

　東芝が電力会社と協力して開発した、ピーク消費電力を平均化するためのユーティリティである。ノートPCに内蔵されたバッテリを活用し、電力消費のピーク時にバッテリでPCを駆動。充放電のサイクルをPCごとにずらすことで、社内全体のPCが消費する電力を平均化する。昼間のオフィスにおける電力ピークをずらす効果があるため、真夏の冷房費を削減する効果などもある。

　ピークシフト機能を実現するには、Windowsが起動していない時にも充放電サイクルを守る必要があるため、単なるWindowsユーティリティだけではなくBIOSレベルでの対応が不可欠だ。BIOSからWindowsユーティリティまでをトータルで開発できる東芝ならではのソリューションと言える。

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[本田雅一, ITmedia ]

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