ユーザー環境を見分けるストリーミング動画CMが登場ユーザーの接続環境やプラグインソフトの有無を判断し、自動的にフォーマットやビットレートを切り替えるストリーミング動画広告「マルチバンドCM」が8月に登場する。ニュースサイトのトップ画面などに専用の枠を設け、TVで流れているCMをそのまま配信
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)など3社は、ユーザーの接続環境に合わせて動画広告を配信する「マルチバンドCM」を8月に開始する。マルチバンドCMは、ニュースサイトのトップ画面などに専用の枠を設け、TVで流れているCMを音声付きでストリーミング配信するというもの。アドサーバ(広告配信サーバ)の運営はサイバーウィング、インフラはCDN事業者のJストリームが担当する。
DACは、博報堂やアサツーディ・ケイ、読売広告社などが株主となって1996年に設立したインターネット専門の広告代理店だ。TV CMのデジタル配信には、利益配分や著作権処理の問題が付きまとう(昨年1月の記事を参照)が、今回は「事業主体である3社にくわえ、CMを制作した広告代理店、そして媒体社の5者で利益をシェアする」(DACの矢島弘毅社長)方法でクリアした。また、広告業界が推進しているオンライン配信時の権利情報管理基盤「アドミッション」の利用も想定している。
マルチバンドCMの特徴は、ユーザーの接続環境やプラグインソフトの有無を判断し、自動的に動画のフォーマットとビットレートを切り替える機能だ。 プラグインを自動判別する仕組みは、3社が共同開発したもの。利用者がWindows OSと「Internet Explorer 5」以上を利用している場合に限られるが、Windows MediaもしくはReal Videoのプラグインが導入されているかどうかを判断して動画フォーマットを決定するという。 帯域幅の判別には、RealSystemとWindows Media Technologiesの仕組み(Realの「SureStream」、WMTの「Intelligent Streaming」)を利用している。広告サイズはS(160×120ピクセル、15フレーム/秒まで)、M(240×180ピクセル、30フレーム/秒まで)、L(320×240フレーム、30フレーム/秒まで)の3種類があり、100Kbpsを確保できる環境ならSサイズ、300Kbps程度まで対応できるならMサイズかLサイズを選択する。帯域幅の都合でSサイズが再生できない場合やストリーミングのバッファリング中は、GIF画像による広告を表示する。
写真はMサイズの300Kbps。従来のバナー広告のように、専用枠が画面に組み込まれている
GIF画像も広告として機能する。動画や画像は、広告クライアントのWebサイトにリンクすることも可能
3社は、8月中旬より広告クライアントを募集し、同月下旬にはマルチバンドCMの配信を開始する予定だ。既に大手ISPのポータルサイトやTV局のニュースサイトなどへの導入が決定しているという。 「ISPは、BIGLOBEや@niftyなど大手5社が導入を決めている。5社を合わせると、トータルの広告PVは毎月3億PV。ISP会員は全員がクレジットカードを持つ優良な購買層ということもあり、広告効果も期待できるだろう」(DAC)。 広告料金は、15秒のSサイズが1回視聴された場合で8円より。DACの矢島社長は、「月間3000万円から4000万円の広告売上を見込んでいる」と自信をみせた。 関連記事 サイバーウィング、主要ISPとブロードバンド広告実験を開始 ストリーミングCMについての考え過ぎ講座 シーエムジャパン、動画広告なら61%がクリックする。動くと楽しいがキーワード インターネットは広告媒体からマーケティングツールに −Web広告研究会 「モーション広告」に揺れ動くgoo 電通、動画広告を“ビジネスベースで”5月から開始 電通に聞く、「ブロードバンド広告の現状と今後」 ストリーミング広告“特有”の問題とは――Jストリーム トランス・コスモスなど5社、ストリーミング広告の管理・配信ソリューションを発表 関連リンク デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム サイバーウィング Jストリーム [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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