リビング+:レビュー 2003/02/14 23:59:00 更新

レビュー:ホームサーバPCの実力[ソニー編]
バイオHS91〜総評と今後への期待

この第3回で今回の「PCV-HS91BC7」レビューは締めくくる。現在、バイオシリーズはデスクトップ、ノートブックとも、非常に幅広いシリーズ展開が行われている。では、バイオHSの特徴とは何だろう? そして、その特徴を生かすために実現してほしいこととは?
Photo Pentium 4/2.40GHz
Giga Pocket Engine搭載
DVD-RWドライブ
17型液晶ディスプレイ
実売価格:30万円前後

 バイオHSには、バイオRZ、バイオMXという上位機種が存在する。本格的に映像編集を行いたいユーザーなら、ゴーストリダクション・3次元Y/C分離・3次元DNRを採用したGiga Pocket Engine DXを搭載し、Adobe Premiere 6およびUSBジョグコントローラーが付属するモデルも用意されたバイオRZシリーズを選ぶだろう。オーディオ・ビジュアルを本格的にPCやホームネットワークで扱いたいなら、Net MD対応MDデッキやFM文字多重放送チューナーを内蔵し、ルームリンク付属モデルもあるバイオMXに目が行くかもしれない。

 そんな中で「バイオHSの特徴は」と考えると、尖った部分はない。しかし、その「主張しない」という性格こそが、バイオHSの最大の特徴といえる。「リビングにも置ける」工夫は随所に見られるが、かといって、バイオHSは必ずしもリビングに置かれるマシンではない。ともすると、書斎や仕事部屋などにPC然として設置されたバイオへ、リビングに置いたルームリンクからアクセスするというのが、ソニーが最も正しいと考えるホームネットワークの姿なのかもしれない。それでも、家族のかたちがさまざまなように、ホームネットワークも形態は1つではない。だからこそ、ほかのシリーズに比べて汎用的に扱える、家の中のどこに置いても「収まりがいい」「さまになる」バイオとして、HSが用意されたものと捉えられる。

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 今回の新ラインナップで価格帯が(低く)広げられたのは、非常に歓迎すべき対応だ。これにより、汎用的に扱えるというHSの方向性はより明確になり、また、ホームネットワークスタイルの裾野を大きく広げるのに寄与するだろう。ハードウェア構成にもよるが、10万円台から提供されているのだから、ユーザーの購入意欲を減衰させる要因は1つ取り除かれたわけだ。

液晶ディスプレイも「らしい」デザイン・機能。しかし、こんなスタイルもあると……

 ほかのバイオ同様に、バイオHSはいかにもソニーらしいデザインに溢れた製品だ。ハードウェアにもソフトウェアにも、一貫したものが感じられる。誰の目にも十分魅力的に映るクオリティといえる。しかし、ソニーらしいアイデアに満ちているかというと、どうだろう。完成度は高いが、「ソニー」なのだから、もう一歩先へ踏み込んでほしい感はある。それは、たとえば、ディスプレイだ。

 現在、自宅では昨年購入したバイオJX11GN(いわゆるネットワークバイオ)を利用している。選択の理由はGiga Pocket(ハードウェア)を搭載したマシンとしては破格(109,500円)に思えたことだ。これ以外のモデルでは、膨大なソフトウェア群やOfficeXPがついていたり、ディスプレイが付属したりして、それなりに価格も上がってくるので敬遠していた。もちろん、ディスプレイは買ってもよかったのだが、ラインナップされているのは、何の変哲もないソニーブランド液晶ディスプレイで、あまり魅力的に感じなかった。

 デザインにしても、機能にしても、サードパーティ製液晶ディスプレイを別途購入して、組み合わせたほうがいいように思えたのだ。バイオHSの場合、液晶ディスプレイにマイクつきビデオカメラ「MOTION EYE」およびステレオスピーカーを内蔵したり、ペンタブレット機能採用の液晶ディスプレイもラインナップされていたりして、少しは「らしい」印象はあるのだが、個人的にはもうひと押しほしい。

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「生活空間に溶け込める」バイオHSと組み合わせるのなら、PCディスプレイであることを主張しないスタイルも望みたい。たとえば、普段はクレイドルに載せておけばDVI接続のディスプレイとして利用でき、ユーザーの行動に合わせて、いつでも自由に持ち運べるディスプレイも用意するというのはどうだろう? 12インチXGAほどでいい。エアボードを提案したソニーなのだから、SmartDisplayとは違う独自のアプローチで、PCに適したリモートディスプレイをつくれるんじゃないかと思うのだ。

 映像と音声がワイヤレスでディレイなく飛んできて、ペンで最低限の操作ができればそれでかまわない。そんなに遠くまで持ち出せなくてもいい。せいぜい同じ部屋の中でソファに寝転がって、GigaPocketをテレビで見たり、気軽にWebブラウズを楽しむ程度でもずいぶんと有用だろう。「MOTION EYE」もそのまま載せられれば、With You Callでのテレビ電話ももっと身近な存在に感じられるに違いない。技術的な問題は置いて言わせてもらえば、せっかく内蔵したワイヤレスLANルータを利用して、こういうスタイルが実現できればとても「ソニー」らしいし、少々割高になっても喜んでディスプレイ付属モデルを購入したいと思う。

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[浅井研二,ITmedia]



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