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夢と感動、そしてそれを現実に!〜ROBO-ONE第5回大会決勝その2第5回ROBO-ONE詳細レポート(5)(2/5 ページ)

» 2004年02月17日 18時56分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]
  • HS-WR-03'' vs HAJIME ROBOT

 HAJIME ROBOTの威力爆発。第1ラウンド、至近距離まで近づいて連続パンチ。このパンチは下から上に打ち出されるので、まともに当たるとボディーにアッパーをくらったような形で、浮き上がるように倒れてしまうのだ。HS-WR-03''テンカウントでも起き上がれず、ラウンドを失う。

 第2ラウンドもパンチ炸裂だ。開始14秒でもうダウンを奪う。こんどはHS-WR-03''も起き上がれるが、30秒、55秒と立て続けにダウンで、3ダウン。ラウンド2-0で、審査5-0でHAJIME ROBOTの勝ち。

  • HS-WR-04 vs ARIUS2

 これも熱戦。体格で勝さるHS-WR-04が有利かと思われたが、ARIUS2はパワーがあるのだ。第1ラウンドではのしかかってくるHS-WR-04をARIUS2が押し返すというシーンもあり、観客の喝采を浴びた。第2ラウンド、ARIUS2は積極的にくちばしつつきに行くが、HS-WR-04もなかなかたおれない。しかし、1分30秒、伸び上がりながら相手の顎の辺りをつつきにいくという大技が炸裂。さすがのHS-WR-04もダウン。

 ARIUS2はさらに起き上がってくるところのスキを狙って再度のダウンを奪う。HS-WR-04は、この後の起き上がりは慎重になり、このラウンドはこれで終了。

 第3ラウンド、いきなり、つつきにくるARIUS2をHS-WR-04が押し返し、それをさらにARIUS2が押し返してダウンを奪う。ARIUS2は、美しいだけのマシンではない。しかし、HS-WR-04も左ストレートでダウンを奪う。さらに、身体を投げ出してつつきに来るARIUS2を身体を開いてよけるという技も見せる。ARIUS2は倒れるがこれは攻撃ダウンとみなされる。

 HS-WR-04は、終了間際にもう一度左ストレートでダウンを奪った。このパンチは非常に重く、強力だ。これでラウンド終了。

動画はこちら(0.6Mバイト)とこちら(0.5Mバイト)

 両者、ダウンを奪えるもののラウンドは取れずに0-0のまま試合終了。審査を待つこととなった。審査結果はARIUS2。「小ささ」や「美しさ」が審査員を味方につけたか。

  • TEAKWON-V vs OmniStriker

 ボールを片手で持ってのキックをするOmniStrikerに、板割りを成功させるTEAKWON-V、デモンストレーションから魅せる技の応酬だ。

 第1ラウンド、OmniStrikerの遠距離からのパンチをかいくぐりTEAKWON-Vが中に飛びこむという構図。TEAKWON-Vは一度パンチを浴びて倒れそうになるも、うまく相手の膝に引っかかって、ダウンとならず。45秒には、飛び込んできたTEAKWON-Vに対し、OmniStrikerが、後から手前にたたき落とすようなパンチ。TEAKWON-Vは体勢を崩しながらも、右からすくい投げ。OmniStrikerは横転。

動画はこちら(0.8Mバイト)

 1分半には、こんどはOmniStrikerがパンチを浴びせ、手前に倒れこんできたTEAKWON-Vを今度は横になぎ払い、ダウンを奪う。この後は両者決め手がないままラウンド終了。2分がとても短く感じられた。

 第2ラウンド20秒、OmniStrikerが右の伸びる腕でなぎ払うようなパンチでTEAKWON-Vを倒す。50秒、今度はその延びる腕をTEAKWON-Vが小脇に抱え込んでしまう。どうなるかと思ったが、OmniStrikerはむりやり引き抜いて、事なきを得る。

 1分、OmniStrikerは敵に背中を向けてしまうが、かまわず後向きに伸びる腕のパンチを繰り出す。これができるのだ。しかし、その腕がTEAKWON-Vに引っかかる。TEAKWON-Vは前向きに倒れながら相手を引き倒す(レフリーはTEAKWON-Vは攻撃ダウン、OmniStrikerはダウンとみなした)。

動画はこちら(0.5Mバイト)

 OmniStrikerは。一度は起き上がったものの、すぐに崩れ落ちてしまう(二度目のダウン)。足首を痛めてしまったのだ。再度気をつけながら起き上がって、今度は膝を曲げて腰を落としたままの姿勢を採る。彼はこの状態でも二足歩行できるので、ルール上は問題ない。TEAKWON-Vも、それに合わせて腰を落とす。これもちゃんと付き合えるっていうのがすごい。このラウンドはこれで終了。

 OmniStrikerの足首はラウンド間の調整で直るものではなく、第3ラウンドも腰を落としての対戦となった。TEAKWON-Vもそれに付き合う。この形では大技を繰り出すというわけにはいかず、パンチの応酬という原始的なファイティングスタイルになる。押し込むのはTEAKWON-V。これはパンチの威力というよりは足裏の摩擦係数の問題だろう。

 1分、OmniStrikerの伸びる右腕が相手に引っかかり、「待て」となって、分けられる。この右腕は諸刃の剣かもしれない。1分40秒には、こんどはTEAKWON-Vの腕が相手に引っかかって分けられる。このラウンドはこのようにして終了。どちらもラウンドを取れないままに、熱戦が終わった。

 審査結果はOmniStrikerの勝利。これはもうどっちが勝ちでもおかしくないという試合だった。ロボットの性能が高いのはもとより、操縦者が冷静で、とっさの判断が素晴らしいのだ。

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