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夢と感動、そしてそれを現実に!〜ROBO-ONE第5回大会決勝その2第5回ROBO-ONE詳細レポート(5)(3/5 ページ)

» 2004年02月17日 18時56分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

準決勝

  • HAJIME ROBOT vs 2325-RX

 安定性・堅実性のHAJIME ROBOTと運動性能の2325-RXの対戦。第1ラウンド、HAJIME ROBOTは警戒するのか2325-RXに正面につけさせない。常に身体の横に相手を置くように対する。2325-RXはラジオ体操パンチを出すが、あまり効果はない。ラウンドの大半は、逃げるHAJIME ROBOTを2325-RXが追うという形で推移。

 しかし、1分40秒、HAJIME ROBOTがいきなり2325-RXの正面につきすぐに連続パンチ。同時にのしかかるようにしてダウンを奪う。この一瞬にかけていたのだろうか。しかし、2325-RXもすぐに起き上がり第1ラウンド終了。

 第2ラウンド、HAJIME ROBOT は一転して真っ向勝負を仕掛ける。さっきのラウンドは様子見だったのだろうか。開始3秒からのパンチの応酬で、6秒にはダウンを奪う。2325-RXは、力で闘われると辛いのだ。起き上がった2325-RXを休ませる暇もなく、HAJIME ROBOTは突進し、パンチを浴びせる。

 なんとか間合いを取りたい2325-RXだが、HAJIME ROBOTはそれを許さない。35秒、2325-RXは2度目のダウン。このとき、2325-RXは右肩をはずしてしまったようで、起き上がれない。HAJIME ROBOTがラウンドを取った。

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 第3ラウンド、2325-RXの肩はちゃんと動いている。ラウンド間に直してきたのだ。2325-RX、接近戦では不利ということで、遠く離れた状態から前転キックなどを繰り出すが、HAJIME ROBOTも警戒していたようで、横によける。さらにラジオ体操パンチも出すが、これも効かない。前回出場の2325-RRは持っていた足取りなどの投げ技がないのが、こういう相手には辛い。

 1分25秒、HAJIME ROBOTのパンチで2325-RXがダウン。さらに、1分45秒HAJIME ROBOTは前に進むだけで相手を押し倒してしまう。しかし、このラウンドはここまで。ラウンドカウント1-0で、審査の結果を待つ。

審査結果を待つ2325-RX

 結果、3-2で2325-RXの勝利。ラウンドを取ったHAJIME ROBOTが負けてしまったのだ。デモンストレーションが2325-RXの方が良かった(派手でわかりやすかった)、最初のラウンドの「逃げ」が印象を悪くしたというようなところのようだ。ラウンドを1つ取っても負ける可能性があるということが示されたのだ。2325-RX決勝進出。

  • ARIUS2 vs OmniStriker

 実況の田中氏いわく「青いARIUS2が赤コーナー、赤いOmniStrikerが青コーナー」という試合。さっきの試合で足首を負傷したOmniStrikerはモーターを交換して登場。闘えそうだ。

 第1ラウンド、ARIUS2のくちばし、OmniStrikerのパンチが、それぞれ空振りしあうスタートとなる。しかし、23秒、OmniStrikerの右のフックがARIUS2をなぎ払りダウンを奪う。ARIUS2が起き上がった場所はリング際だったが、OmniStrikerが来るよりも先に向き直る。1分40秒、ARIUS2がくちばしつつき。OmniStrikerは半歩下がってよけるが、くちばしが足元に届く。ダウンはしないがさらに少し後ろに押し込まれる。その結果、立っている場所がかなり際どい位置になった。

 OmniStrikerは、なぜか前に進まない。彼は歩くときに一度重心を後ろにずらすので、この位置からだと怖いのかもしれない。さらに攻めこむARIUS2。OmniStrikerの後の足がリングから半分はみ出す。会場の悲鳴に似た歓声。しかし、ここでゴング。なんとかリング上に踏みとどまった。

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 第2ラウンド開始前、ARIUS2は通信関係にトラブルが発生したらしい。ラウンド間の規定の調整時間(2分)を過ぎても、リング上にマシンを置けない。この場合、調整時間を2分間延ばせるが、その代わり1ダウン扱いのペナルティとなる。ARIUS2は、延長した2分でリカバリーできたようで、1ダウン扱いでラウンド開始。

 30秒、互いに空振りするあいだに、背中合せになってしまった。こうなると、伸びる腕のひじうちで後にも攻撃ができるOmniStrikerに対し、ARIUS2は攻撃の術がない。ダウンを喫してしまう。OmniStrikerはさらに、相手が起き上がって近寄ってくるところに、お得意の右パンチ。ARIUS2は3ダウン目となり、このラウンドを失う。

 第3ラウンド45秒、OmniStrikerは伸びる右腕をARIUS2の後に回し手前に引き倒す。ARIUS2が起き上がって体勢を取り直すところを、やはり右腕パンチで倒す。最後は、ARIUS2の左パンチを払うようにしながら、浴びせ倒してしまう。30秒に満たない間に3つのダウンを取り、このラウンドを奪った。見事な波状攻撃だ。審査結果もOmniStrikerの勝ち。決勝進出だ。

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