起き上がってOmniStrikerの後ろにつくのだが、相手は後ろ向きの攻撃も強力だ。かわすだけせいいっぱい。ついにOmniStrikerの伸びる右腕のひじうちが決まり、2325-RXは3ダウン。このラウンドはOmniStrikerのものとなった。
第3ラウンドも、2325-RXは正面からのぶつかりはやはり不利と見たか、再び回り込む戦術に出た。そして25秒、2325-RXが向き直ったそのとき、OmniStrikerが腰から崩れ落ちてしまう。カウントを始めるレフリーに、OmniStrikerの前田さんが申告する。
「バッテリー切れです」
なんともあっけない幕切れだ。第3ラウンド前に交換したバッテリーが、うまく充電されていなかったのだそうだ。
とにかくこれで試合終了。第3ラウンドは2325-RXが取った。これでラウンドカウントは1-1で審査を待つこととなる。
しかし、なんとも観客はおさまらない。そこで、試合結果とは関係のないエキジビションラウンドを最後にやることになった。OmniStrikerは第2ラウンドで使ったバッテリーに戻す。
しかし、このエキジビションラウンド、今度は2325-RXが全く精彩がない。いきなり自爆ダウンをする。起き上がって攻めるが、ちょっと叩かれただけで倒れてしまう。そして10カウントでも起き上がれない。サーボモーターが加熱してしまい、パワーを失ってしまっていたのだ。
その間に審査も終わり、結果発表。優勝は2325-RX。おめでとう。
大会の最後を飾るのは、ベスト8によるランブルだ。8台のロボットが同時にリングに上がってのバトルロイヤル。起き上がれる限りは何度ダウンしてもいい。勝つためには、リングアウトさせるしかないのだ。なんとなく、「彼」に期待が集まっている。
わたしも、前回、操作者のかげになってしまった反省をもとに、位置を変えて脚立に上っての撮影。ここの動画がぶれまくっているのはそのせい(いや、こっちが興奮しちゃったせいもあるんだけど、すみません)。
開始直後、いきなり隣り合っていたMetallic Fighterと2325-RXが、前転と側転を見せて着地でぶつかって両方転ぶなんてシーンを見せてくれる。とにかく、みんな落ちたくないから中央に集まる。だんご状態でなにがなにやら。
30秒、(たぶん)TEAKWON-Vに倒されたHS-WR-03''が起き上がりに失敗して、そのままリングアウト。最初の脱落者。しばらく小康状態だったが、2分、互いに闘っていたARIUS2とMetallic Fighterがほとんど同時にリングアウト。
2分50秒、OmniStrikerの自慢の長い右腕がポールに引っかかって動きが取れなくなる。そこで目を光らせたのが(比喩)HAJIME ROBOT。喜び勇んで、OmniStrikerを押し込んでそのまま落とす。観客拍手。
その直後、2325-RXがHS-WR-04に倒される。それに目をつけたHAJIME ROBOT。早足で忍び寄る。2325-RXは急いで起き上がるがHAJIME ROBOTはかまわず前に進み、相手を押し倒す。さらに、倒れた相手をそのままどんどん押し出して、リングアウトさせてしまう。1対1の試合では倒れている相手への攻撃はできないけど、ランブルだとなんでもありになっちゃう。とにかく観客は大喜び。
3分30秒、いまリング上にいるのは、HS-WR-04、TEAKWON-V、それにHAJIME ROBOTの3台だ。HAJIME ROBOTが次に目をつけたのは小さいTEAKWON-Vだ。リングのほぼ中央にいたTEAKWON-Vをリング際まで押し込んでしまう。しかし、TEAKWON-Vはうまくポールを背にする形となって、耐える。ここで4分。予定されていた試合時間終了なのだけど、レフリーが延長を宣言。確かにそうしないと、会場のおさまりがつかない。
HAJIME ROBOTは、ポールを背負ったTEAKWON-Vを左右にぐいぐいずらしながら押していって、リングアウトさせる。しかし、このとき、背後には大きなHS-WR-04が迫ってきたのだ。大ピンチ。
HS-WR-04は寄り切るのではく、パンチで落とそうとする。これがHAJIME ROBOTには幸いした。うまくかいくぐって、回り込むことに成功。ここで、HS-WR-04が巨体で押していったらどうなっていたかわからない。
がっぷり押し合う2台のロボット。しかし両者とも動かない。これではダメだと見たHAJIME ROBOTは、いったん後退し、そこから前転キック。体重のかかったキックでさすがのHS-WR-04もリング際近くまで押し込まれる。しかし転ばないのはさすがだ。
HAJIME ROBOTもここが勝負どころと見た。倒れた姿勢のままで、相手にキックを浴びせる。自分は倒れちゃっているんだから安定している。
この攻撃が「あり」かどうかだけど、多分誰もこんなこと想定していなかったろうから、「あり」だろう。そして、5分50秒、ついにHS-WR-04がダウンしながらリングアウト。
やっぱり最初から「彼」が期待されていただけのことはある。坂本元さんのHAJIME ROBOTが、ランブルチャンピオンに輝いた。インタビューに答えて「気持ちいいです」。うん、見ていても気持ちよさそうだった。
ROBO-ONE第5回大会は、これで終了。今まではバトルではない競技(ドアを開けたり、階段を上ったり)も同時に行われていたのだけど、これらは「ROBO-ONE Special」として日を改めて開催されることになった。開催は2月29日、日本工学院専門学校(蒲田)だ。
公式サイトに詳しい競技内容が載っている。筋肉番付みたいな「ROBO-ONE Eagle」っていうのは一体どういうことになるのか、期待と不安がまぜこぜになってドキドキしている。
第5回ROBO-ONE詳細レポート 5/5 |
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