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地上波、DVDからハイビジョンまでを破綻無く。FORIS.TV「SC23XA1」レビュー(2/4 ページ)

» 2004年03月09日 20時13分 公開
[本田雅一,ITmedia]

地上波、DVDからハイビジョンまでを破綻無く

 FORIS.TV「SC23XA1」が採用している23インチIPSモード液晶パネルは、上下・左右ともに170度という非常に広い視野角を持つ。単にスペック上の視野角(コントラスト比)だけであれば、光学補償フィルムなどに広げることもできるが、どの確度からも安定して色が変化しにくいのがS-IPSの長所。

 ナナオはこの液晶パネルをアンチグレア処理が施されたそのままで搭載している。パッと見の美しさを求め、フィルムやアクリルパネルを前面に配置する製品も多いが、筆者は本機のしっとりとした画面の雰囲気を多いに気に入った。

 パネル解像度は720Pちょうどの1280×720ではなく、縦方向に少し伸びた1280×768ピクセルを採用している。PCで言えばワイドXGAといったところか。16:9の映像ソースの場合、上部に48ピクセル分の“空き”ができるが、視聴時に気になることはない。一方、4:3ソースの場合、パノラマモードなどで横いっぱいに表示させた時、画面の歪みが若干緩和されるというちょっとしたメリットもある。

 さて固定ピクセル系のすべての映像デバイスは、ピッタリ同じ画素数の映像ソース以外を、どのようにして美しく表示するかが、ひとつのポイントとなる。まずは本機に内蔵されるテレビチューナーとDVDプレーヤー。いずれのソースも破綻なくプログレッシブ化が図られた上で、輪郭の甘さをほとんど感じさせず、かといって不自然な補正を感じさせることなく、良好な品質で1280×768ピクセルの固定画素にまでアップスケールされた。

 もっともテレビチューナーやDVDプレーヤーからの映像は、多くの製品が力を入れているところであり、高画質なスケーリングが行えても全く不思議ではない。本機の良さは、1080iのハイビジョン放送を手抜きすることなく美しく表示できるところに現れていると筆者は思う。

 FORIS.TV「SC23XA1」にはハイビジョン対応のI-P変換チップが搭載されているとのことだが、確かにビデオソースのハイビジョン放送で、細かなテクスチャの輪郭が、チリチリと見辛くなる部分、おそらくはインターレス化で見にくくなっている部分が、きれいにプログレッシブ化されていることを感じた。絶対的な解像感はハイビジョンブラウン管に及ばないものの、720P対応パネルへの表示という前提で見ると非常に鮮明な絵だ。

 デジタルハイビジョンチューナーを接続したいと考えている人、あるいは将来接続するだろう時、きっと期待を裏切らない画質を実現してくれる。

接続インタフェース
リモコンはこのようにして収納できる
リモコン

立体感のある落ち着いた絵作り

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2004年12月31日