ITmedia NEWS >

地上波、DVDからハイビジョンまでを破綻無く。FORIS.TV「SC23XA1」レビュー(3/4 ページ)

» 2004年03月09日 20時13分 公開
[本田雅一,ITmedia]

立体感のある落ち着いた絵作り

 上記は固定画素パネルへのスケーリングという視点でFORIS.TV「SC23XA1」の画質を見たが、それ以上に驚きを感じたのは、その絵作りの巧妙さである。多くのテレビが、見かけ上の明るさ感や派手さを重視した絵作りを見せているのに対し、ナナオの絵作りは滑らかで破綻がすくなく、しかも肌色のふくよかさを感じさせる落ち着いた絵作りだ。あるいは平均的な絵作りのテレビと並べて比較すると、地味で冴えない絵と見えてしまうかも知れない。しかし、リビングルームに置き、長時間使えば使うほど。その自然な絵作りに心動かされる。

 基本的に色温度は低めで、ハイライトを強調する無理なトーンカーブの持ち上げも行っていない素直なチューニング。色再現に関しても、欲張って彩度を引っ張り上げるのではなく、あくまで正しい階調と色相の変化を表現するタイプだ。白はあくまで白く、赤は赤く、青が青い。グレーはきちんとグレーで表現される。当たり前のことだが、液晶テレビの中にはこれができていない製品も多い。特に23インチ程度の比較的小さなパネルを採用した製品は手抜きが多いのだが、FORIS.TV「SC23XA1」はその部分に対してまじめに取り組んでいる。

 特に肌色の表現がすばらしく、こってりと色ノリが良い割にイヤラシさを感じない。しかもコントラスト比が限られている液晶パネルながら、奥行き、立体感を感じさせる。これもパッと見の明るさや鮮やかさを求めず、素直に映像ソースの実力をパネルに表現した、ナナオのまじめな絵作りがなしえた結果とも言える。

 液晶テレビには、確かに表現力の限界はある。ブラウン管のような無限の階調性や高いコントラスト比はなく、色再現域もNTSCフォーマットのすべてを表現しきれない。その上、無理な絵作りをしようとすれば、破綻するのは当然とも言える。もし店頭などで液晶テレビを見て「立体感のない平面的な画質や低い階調性」を感じ、時期尚早と判断を下したのなら、今一度、FORIS.TV「SC23XA1」の画質をチェックすべきだ。

 液晶テレビの画質は充分に上がっていることが実感できるだろう。

画面メニュー
映像モードのメニュー
音声モードのメニュー
省電力モードのメニュー
2画面モードのメニュー

※次のページへ続く

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2004年12月31日