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地上波、DVDからハイビジョンまでを破綻無く。FORIS.TV「SC23XA1」レビュー(4/4 ページ)

» 2004年03月09日 20時13分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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初期設定モードのメニュー

画質面での不満ないDVDプレーヤー

 内蔵されるDVDプレーヤーは、機能やスペックの面で特記するものはないが、その画質は良好だ。ディスプレイ部と一体で設計、調整が行われ、内部的に接続されているため、信号の劣化がなく2重に絵作りや映像変換処理が行われることもない。むしろ外付けDVDプレーヤーを接続するよりも、簡単にベストな映像を得ることができる。

 また映画を見るためのディスプレイ側のプリセットも絶妙のセッティング。標準の状態から輝度を控えめにし、ガンマ補正を緩やかに。色温度も低めになる。プリセットで映画モードを選択し、部屋を暗くすればそれだけで手軽にシアターライクな雰囲気を得ることができる。

 テレビの映画用プリセットの多くは、今ひとつ絵作りで不満を感じることもあるが、本機の場合は液晶パネル本来の素性を可能な限り活かし、こだわって、巧妙に設定されている。プログレッシブ変換の品質も良く、手持ちのDVDはフィルムソース、ビデオソースともに良好な結果が得られた。特にシャドウを強調した暗い色調の映画は、他の液晶テレビとは一線を画す。

 映像とともにもう一つのウリとなっている“音”は、さすがにサイズが大きな専用スピーカーには及ばないものの、フルレンジならではの素直な表現が魅力だ。テレビ内蔵のスピーカーとしては良質と言えるだろう。小口径のフルレンジながら、大容量のエンクロージャーを採用することで低域も含めた全体のバランスも悪くない。

 内蔵DVDに音楽CDを入れれば、CDプレーヤーとしても利用できる。視聴中のテレビやビデオを映したまま、音声だけをCDと入れ替える機能もある。

左開きするDVDプレーヤーのトレイ
DVD系の操作ボタン

ナナオの生真面目さが表現された手軽な高画質機

 FORIS.TV「SC23XA1」の写真を見れば、本機がデザインやユーゼージモデルを重視し、スタイリッシュかつイージーに使える洒落た新しい時代のテレビを目指していることは一目瞭然だろう。最近のフラットパネルテレビにはない、狭額縁のスッキリとしたデザインは、それだけでも充分に魅力的だ。

 しかし、こうしたデザイン重視の製品は、ごく一部の一流品を除き、本来の性能がおざなりになっているものが多い。一方、きちんとAV機器本来の性能や機能性も追求した製品は、手が出ないほど高価なものだ。ところが本機は23インチ液晶テレビとして中心的な価格帯にありながら、スタイリッシュかつ高画質なテレビ+DVDに仕上がっている。他に類似した製品はなく、ライバル不在の製品と言っても過言ではない。

 その見た目だけに注目してはいけない。その中身は、伝統のナナオディスプレイが持つ生真面目な高性能・高画質が詰まっている。デザインと機能、性能が両立しているからこそ、製品としての価値も高い。

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2004年12月31日