Bluetooth,SDカードスロット──2つの武器を得たiPAQ上位モデル(3/3)
定番ユーティリティは健在,Bluetoothもソフトウェアコントロール英語圏向けの製品に付属するPIM拡張ソフトや音声認識ソフトは旧製品同様国内モデルには存在しないが,タスクマネージャーも兼ねるユーティリティは健在だ。iPAQ固有の機能に対応するソフトの呼び出し,バックグランドで動作しているソフトへの切換えなどが容易に行える。
Pocket PCではアプリケーションの終了という概念がない(ウインドウを閉じたアプリケーションもバックグランドで動作し,メモリの状態に合わせて自動終了される)ため,このユーティリティは使い慣れると必須の機能になる。 本製品ではBluetoothもすべてソフトウェアでコントロールする。Bluetooth非内蔵モデルもあるためだと思うが,Bluetoothのためのハードウェアスイッチはなく,機能のオン/オフ自体もソフトウェアで行う。富士通の「Pocket LOOX」のようにハードウェアスイッチがあった方が便利な気はするが(3月12日の記事参照),そもそもiPAQではスイッチを設けるスペースもあまりないというのも影響しているのだろう。
Bluetoothは出力を調整する事もでき,3段階にユーティリティで切換えられる。バッテリー消費を抑えると共にセキュリティという意味でも意味のある機能だ。なお出力を最小にしても,パルディオ633Sを上着のポケットに放り込み,本製品を左手で保持した状態でもなんら問題なくBluetoothで通信が行えた。
強敵は国内メーカー製品,ジャケットコンセプトをどう見るかPocket PC2002に合わせ,国内メーカー製品もほとんどがStrongARM/206MHzを搭載した現在では,以前のように本製品が特にパワフルというわけではなくなった。筆者の初代iPAQはPocket PC2002にアップグレード済だが,実際処理速度的な違いは感じられない。ディスプレイに関しても6万5536色表示となったわけだが,これもPIMを中心に利用すると違いは分かりにくい。 今となってはジャケットコンセプトが仇になっている感もある。今更ながら拡張スロットがSDスロットだけなのは,ジャケットでの拡張に依存しているのと,形状的な制限を受けているからであろう。もちろんBluetoothである程度補完できるという部分もあるのだが。 初代iPAQ登場時にはジャケットコンセプトによってPCカードも利用できる点が大きな魅力だったが,当時と異なり今は無線LANカードやAirH"のようなつなぎ放題が可能な通信カードすらCFスロットで利用できる。この点では,スマートにCFスロットを内蔵する国内メーカー製品に魅力を感じる人も多いのは間違いない。 本製品の初代iPAQの流れを汲むスマートなデザインは魅力だし,同時にサイズ的なデメリットはあるものの,サードパーティ製を含めた豊富なジャケットの存在は他社製品にはない大きな魅力だ。ジャケットコンセプトをどう評価するかが本製品の評価の大きな分れ目になるのは間違いないだろう。また本製品や富士通の「Pocket LOOX」(3月12日の記事参照)がBluetooth普及の起爆剤になればとも願うのだが……。
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