J-フォン「J-K51」のメールとメモリダイヤル機能をチェック

ツインスピーカー搭載で音のよさがウリのケンウッド製J-フォン端末「J-K51」。日常で利用頻度が高いメールとメモリダイヤル機能を，先行発売されたシャープ製端末「J-SH51」と比較してみた。

【国内記事】

2002年4月4日更新

メモリダイヤルに登録できる情報は少なめ

　1つのレコードにさまざまな情報を登録できる端末が増えるなか，J-K51のメモリダイヤルはシンプルな構成だ。登録できるのは「名前」「読み」「電話番号」「E-mail」「PINコード」「グループ」「画像/メモ」「メモリ番号」の8項目。

　「J-SH51」では，1人のデータの中に自宅の電話番号や携帯電話の電話番号，会社の電話番号など，複数の電話番号や電子メールアドレスを登録できるが，「J-K51」では，それぞれ1つのデータしか登録できない。

J-SH51のメモリダイヤル（左）は1件にさまざまな情報が登録でき，一覧性にも優れる。一方，J-K51（右）は1件に各項目ごとに1つしか情報を登録できない。このあたりは前時代的な感もあり改善が望まれる

　「画像/メモ」の「画像」は，着信時に表示される画像を設定する機能。全レコード合計で設定可能な件数はメモと合わせて100件となっている。

登録したメモリダイヤルにそれぞれ画像を設定すれば，着信時に誰から電話がかかってきたのかが着信画面で分かる

　アドレスの検索は「呼出」「グループ」「行」「読み」からの検索が可能。検索結果から「Menu」ボタンを押すと電話発信と新規メール作成が行える。

振り分けに対応したメールボックス

　メールは受信メールボックス内に複数のフォルダを作成可能だが，送信ボックス内のフォルダ作成には対応していない。J-SH51では送受信メールボックス内にフォルダの作成が可能だ。また，昨今のトレンドである自動メール振り分けにも対応している。

　送受信したメール処理の中で便利なのが選択したメールを一気に削除できる「複数削除」機能。送受信フォルダ内のメールリスト表示画面で「サブメニュー」を選ぶと「返信」「削除」「転送」などのメール処理メニューの中に「複数削除」が用意されている。残念ながら複数移動には対応していなかった。

「複数削除」画面。選択すると文字が青く反転，一気に削除できる。複数移動できない点が惜しまれる

入力文字予測と入力文字関係予測が可能な日本語入力

　J-K51の日本語変換は，入力文字予測や入力文字関連予測が搭載されている。

　入力文字予測は，文字を入力している時に，過去に入力した文字が候補として呼び出される機能。初期設定では3文字入力すると文字が赤く光り予測候補があることを知らせてくれる。ディスプレイの下に「予測」アイコンが表示され，対応するボタンを押すと候補が現れる。予測変換させる文字数の設定は2文字，1文字でも設定可能だ。

入力文字予測がある時の状態（左）と，変換候補の表示画面（右）。J-K51の日本語変換エンジンはオムロンソフトウェアの「モバイルWnn」が搭載されている

　入力文字予測は，過去に入力した言葉が入力している文字に関連する場合に候補として呼び出される機能。よく使うフレーズが候補として出てくるため，入力の手間を軽減してくれる。

　ほかにも後戻り機能，大文字/小文字一発変換，J-フォンに登録されている自局電話番号やアドレス履歴，テキストメモ，位置情報の貼り付けに対応している。

右下の「j←k」に対応したボタンで後戻り機能を利用できる。後戻り機能は，誤って入力した際に素早く正しい文字を入力でき，数字入力の候補にもアクセスしやすい便利な機能だ

バランスのよさならJ-SH51，個性で選ぶならJ-K51

　4月4日の時点で販売されているパケット対応端末はJ-SH51とJ-K51の2機種。価格は新規契約の場合，J-K51が2万8800円，J-SH51が2万9800円，6カ月から1年未満の場合，J-K51が3万5300円，J-SH51が3万8300円とさほど変わらない（都内販売店・ZDNet調べ）。

　J-SH51は6万5536色のTFT液晶，31万画素の内蔵カメラ，音楽再生機能，SDカードのサポートなどの機能を備え，メモリダイヤル周りやメール機能などもバランスよくまとまっている。

　J-K51は，4096色のTFD液晶で内蔵カメラの画素数も若干J-SH51に劣る感があり，メモリダイヤル周りも弱い印象は否めない。しかし，カメラは画素数を補うユニークな効果をサポート，スピーカーは驚くほどの高品質を誇り，日本語変換機能もこなれている。また，Webブラウザのキビキビしたパフォーマンスも見逃せない。

　「バランスで選ぶならJ-SH51」「突出した個性を楽しむならJ-K51」といった選択になりそうだ。

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[後藤祥子，ITmedia]

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