Mobile：姿を見せたダウンロード型BREW

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2002年7月17日　02:03 AM 更新

姿を見せたダウンロード型BREW（2/2）

　エイチアイは、J-フォンやドコモ端末に採用された3Dポリゴンエンジン（5月21日の記事参照）をBREWに移植した。バージョン1.0のもので、秒間10フレーム程度のパフォーマンス。これまで組み込みが中心だった3Dポリゴンエンジンだが、BREWへの対応で、必要なユーザーだけが3Dエンジンをダウンロードして利用する環境が用意されたことになる。

　KDDI研究所は、W3Cによる世界標準のベクトルフォーマット、「SVG」準拠の地図ビューワ「WALKING NAVI」をBREWで用意した。KDDI研によると、「（C3003Pに内蔵されている）『ナビタイム』（3月15日の記事参照）とほぼ同等のもの」。高速なスクロールのほか、拡大縮小、回転が自在に行える。地図内にハイパーリンクを置き、データを表示することもできる。実際のBREW端末に搭載された際には、Webブラウザにデータを表示させることもできるという。データフォーマットにオープンプラットフォームであるSVGを使うことで、「他社も地図サービスを提供可能になる」（KDDI研）。プログラムのメモリ容量は30Kバイト強。「SVGの最小スペックであるモバイル仕様」で作成してある。

ケイ・ラボラトリーはFlashのSWFコンテンツをBREW上で再生できるアニメーションエンジンを展示。昨年の「JavaOne」で展示したネイティブバージョン（2001年11月の記事参照）と異なり、「（SWFの）変換部を端末内に組み込んだ。ダイレクトに表示できる」（ケイ・ラボ）。アクションスクリプトも、セキュリティ上の問題から複雑なものは搭載を控えているが、簡易なものは実行できるという。プログラムのメモリサイズは約100Kバイト。「どちらかというと海外市場を狙っている」（ケイ・ラボ）。

メディアソケットが展示した「マルチメディアメッセージングサービス」は、BREWを使ったマルチメディアメーラー。複数のBREWアプリケーションプログラムから成っており、相互に呼び出して連携して動作する。PCのメールボックスをPOP3プロトコルでダイレクトにアクセスできるメールソフトなどを含んでいる。現在のところ、「BREWからネイティブアプリを参照するのは難しい」（クアルコムの久保氏）ため、端末内のアドレス帳のデータを利用できないのは残念なところ。

　ロジクールが米generationPIXと共同出展したのは、端末からWebカメラのリアルタイム映像を閲覧できる「ビュー・ライブ・ウェブカム」。「米国の14.4Kbpsのネットワークに最適化されたもの」だといういうが、ブースに設置されたロジクールのWebカメラ「Qcam Pro3000」からの映像を、スムーズに端末上で閲覧できていた。利用しているプロトコルなどは不明。

　翔泳社は、ニュースや天気予報、株価などの情報を自動的に取得して、テロップ表示する「BREW SEARCH」を展示した。Javaより高級なBREWの描画機能を利用して、スムーズな動きを実現した。「Javaに比べて作りやすく、半分以下の期間で開発できた」（翔泳社）。本来は待受画面アプリとして動作するものだが、現在のところBREWにはドコモの504iのような待受アプリ的な機能がないため、電話機能を使うにはいったん終了させる必要がある。ただし、BREW側の設定で自動起動は可能だという。

BREWを使ったインスタントメッセンジャー（IM）。Javaを使ったIMのようにサーバにメッセージを定期的に確認する必要なく、ダイレクトにメッセージがやりとりできる。こちらは試作版。