「J-SH52」の強化点を探る(2/2)
J-SH52の新機能の1つ、それがボイスレコーダーだ。いわゆるICレコーダーと同じもので、周囲の音声をSDカードに録音できる。録音には、通話用のマイクを使う。またオプションの「マイク付オーディオリモコン」を使うこともできる。録音データは着メロスピーカーから再生できる。 付属の8MバイトのSDカードに約110分記録できるため、ビットレートは約9.7Kbpsという計算だ。コーデックにはW-CDMA(3G)に使われているAMR(用語)を用いているため、ざっくりいってしまえば“FOMAの通話並”の音質ということになる。 実際に会議などのもようを録音してみると、音質はかなり厳しい。マイク付オーディオリモコンを付けてテストもしてみたが、イヤホンで聞かないと聞き取るのも困難だった。 最大の難点は、別のプラットフォームで再生ができないことだ。SDカードを経由してファイルをPCにコピーすることはできるが、AMR形式の.ALPファイルを再生するソフトが見つけられなかった。PCで扱えるデータならば、ボリュームを調節したりノイズを消したりできるが、現状ではくぐもった音声のままJ-SH52で聞かなくてはならない。 J-SH52にはMP3のリアルタイムエンコーダーも搭載されており、AMRではなくMP3で録音することも不可能ではなかったはずだ。ICレコーダーは、音質およびPCとのデータ互換性が重視されるが、J-SH52のボイスレコーダー機能はどちらにも不満が残る。ただしSDカードの活用という意味でも、搭載を止めるのではなく品質の向上に期待したい。
5秒しか撮影できない「ムービー写メール」に対して、高解像度で長時間録画できる機能、それがJ-SH52に搭載されたモーションカメラモードだ。
モーションカメラで撮影したファイルは、メールに添付して送信することはできない。SDカード経由でPCに移せばPC上で再生できるが、Nancy形式の例に漏れず音声は再生できない。MPEG-4を採用し、PCでも再生可能なauの「ムービーメール」が登場した今となっては不満の残る部分だ(10月4日の記事参照)。なおモーションカメラモードのファイルを再生するには「Nancy Player」をVer.1.3にアップデートする必要がある。
モーションカメラモードは、長時間の映像を録画できるというほかに、ムービー写メールのための映像つくりにも利用できる。長回しした動画のなかから、「これは!」という部分だけをムービー写メールのフォーマットに切り出せるからだ。ただし、中央が切り抜かれた80×60ピクセルの動画になるのには注意が必要。
J-SH52では、SDカード内のHTMLファイルをWebブラウザで開けるようになった。ディレクトリは固定で、「Privates/SDJPHONE/SDコンテンツ」に保存されているindex.htmlが表示される。 一見、大した変更ではないように見えるが、将来の可能性という面では大きな意味を持つ。例えばSDカードのROMにコンテンツを収録して販売する……といったことにも道がひらけた。 もっとも、このモデルを押し進めるなら、SDカードを差し込むと自動的にローカルコンテンツが立ち上がる──オートランといった機能があってもよかったところだろう。 関連記事 J-フォンの「J-SH52」都内で店頭に並ぶ J-フォンのシャープ製パケット端末「J-SH52」が都内で店頭に並んだ。新規価格は2万円半ば これぞ“全部入り”──写真で見る「J-SH52」 ムービー写メールから音楽再生機能まで備えたシャープのパケット端末に、ライトやカラー背面液晶まで追加された後継機が登場する。機能アップしながら、さらに薄く、軽くなった「J-SH52」を写真で見ていこう J-フォン、ムービー写メール対応「J-SA51」「J-SH52」を発表 J-フォンは、ムービー写メールに対応した新端末「J-SA51」(三洋電機製)と「J-SH52」(シャープ製)を発表した 関連リンク J-フォン シャープ J-SH52のページ [九条誠二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
最新スペック搭載ゲームパソコン
FEED BACK |