Mobile:NEWS 2003年9月22日 07:38 PM 更新

各国の端末がよりどりみどり〜香港携帯電話事情(2/2)


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ショップはキャリア系、メーカー系、併売系の3種類

 日本ではとかく「マナー」を理由に通話を制限される場所が多いが、香港では通話が制限される場所はほとんどない。地下鉄をはじめとする公共交通機関でも利用の制限はない。地下鉄では、駅だけでなく走行中のトンネル内もすべて携帯電話の電波が行き届いており、満員の車内で通話する人も多いし、それをとがめる風習もない。日本人から見ればまさに携帯電話パラダイスだ。

 このような電話好きの国民性からか、携帯電話の買い替え需要も多い。街中の至るところに携帯電話販売店が軒を連ね、巨大な中古携帯電話市場も形成されている。

 新製品の販売は、主としてオペレータが展開するオペレータショップ系と、端末メーカーが独自に展開するメーカーショップ系、新品・中古のあらゆる端末を扱う併売店系の3種類に分類される。

 オペレータショップ系は、日本でいういわゆるドコモショップやauショップのようなオペレータ(キャリア)ブランドの看板を掲げているものだ。

 一方メーカーショップ系は、購入したい端末メーカーがはっきり定まっているユーザーにとってメリットの多いショップ。メーカーによるアフターサービスが充実しており、周辺機器などのラインナップも多いのが特徴だ。

 街中の至るところで見かけるのがいわゆる併売店。メーカーを問わず、あらゆる種類の端末を店頭に並べており、下取りした中古端末も店頭に並ぶ場合がある。店頭に並ぶ端末の傾向や好みはショップによって異なり、マニア心がくすぐられる商品をそろえたショップも見受けられる。

 新品で端末を購入したいというユーザーにお勧めしたいのは、地下鉄の旺角(モンコック)駅を下車してすぐ近くにある「先達広場」という雑居ビルだ。このビルの1〜2階には併売店系のショップがビッシリと軒を連ねており、同じモデルでもショップによって在庫状況や価格が異なる。交渉次第では値引きも期待できるので、目的のモデルを比較的安価に買えるだろう。ここには中古端末も多数店頭に並んでいる。


中古端末を購入するなら、地下鉄・深水捗(シャムスイポ)駅を下車して駅前に広がっている鴨寮街というマーケットがオススメ。電気製品の中心とした露店がずらり


携帯電話を買い取ってくれる露店も多数存在する


中古部品を利用して携帯電話を修理してくれる露店も。メーカー公認であるはずもなく、アングラなショップだ

日本からの国際ローミング事情

 NTTドコモ、J-フォンが(U)SIMカードを使った国際ローミングサービスを開始したことで、auに加えて主要3キャリアすべてが香港でも日本の電話番号のまま携帯電話サービスを利用できるようになった。

 ノキア・ジャパンが販売する「6650」(7月30日の記事参照)を購入すれば、日本ではW-CDMA方式(J-フォン)、海外ではGSM方式を1台の端末で使うことも可能だ。またドコモのFOMA用(U)SIMカードを6650に挿せば、GSM方式のエリアにおいて、NTTドコモの電話番号のまま携帯電話サービスを利用することもできる。


実際に、FOMA用の(U)SIMカードを6650に挿入して香港で起動したときの画面が左の写真。NTTドコモと提携しているのはハチソンテレコム(オレンジ)で、ネットワークをサーチすると複数のオペレータが画面表示されるものの、アクセスを受け付けてくれるのはオレンジのみ。待受画面のオペレータ表示には「Orange」と「NTT DoCoMo」がダブルで並んでいる。ネットワークサーチすると3HKという表示が出るなど試験電波を捉えた(中)。SmarToneもW-CDMAの電波を出し始めているようだ。エリアによって時々つかめた電波(右)

 また、香港でもW-CDMA方式を使った3Gサービスの準備が着々と進められているようで、早ければ年明けにも利用可能になると言われている。実際に街中では3Gサービス用の端末モックを展示するショップも見かけた。また6650をW-CDMAモードで起動させ、ネットワークサーチをかけると、場所によっては3Gの試験電波を捉えることもできた。

 いよいよ香港でもW-CDMA方式のサービスインが迫ってきたというわけだが、J-フォンVGS端末や次期FOMAがそのままW-CDMA方式で海外ローミングできるエリアが広がって行ってくれることには大いに期待したいものである。



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[木暮祐一, ITmedia]

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