今年も吼えた!〜携帯業界キーパーソンの発言を振り返る(2/2)
夏野氏が強気な発言をする一方、立川敬二社長は慎重な発言が多かった。「1年ちょっとの間は比較的低迷していました」(7月17日の記事参照)というFOMAは、2003年度末で146万契約という目標が掲げられ、その後移行が好調なことから200万に上方修正された(10月30日の記事参照)。 携帯電話へのGPS搭載については「マンナビだけで積極的に売る気はありません」(7月17日の記事参照)と発言。この次の日にはKDDIの執行役員高橋誠氏が「ドコモがマンナビをやらないのなら、われわれは積極的に推していく」(7月18日の記事参照)というなど、ちょっとした舌戦が繰り広げられた。 弱気な発言が出始めたのは、純増数でauに抜かれ始めたころからだった。800MHz帯の3G利用について立川社長が「auは少しズルイ」(12月4日の記事参照)とコメント。900iシリーズの発売前日にはiモード事業本部長、榎啓一氏が「もしも“ドコモ面白くないからauに行こうかな”という方がいたら一瞬止まって、来年の2月頃に出る予定のFOMAを見てからご判断いただきたい」と、“待った”をかける場面もあった。
このところ純増数でドコモを追い抜き続けるなど、勢いを感じさせるau。この1年は、これまでの苦労が花開いた年でもあり、幹部の発言も自信に満ちていた。 WPC フォーラム 2003の講演に立った小野寺正社長は「1つの端末で、1つの番号で、国際ローミングを行えるのはauだけ」(9月19日の記事参照)とアピール(当時)。定額制データ通信サービスを音声端末として始めて打ち出したCDMA 1X WINサービスの発表会では、「次の世界を我々が開く。1X WINはケータイ版ADSL。ブロードバンド携帯が誕生した」と、熱く語っている。 デザイン志向の端末として大きな注目を集めたINFOBARの発表会では、auプロダクト統括部長の牧俊夫氏が「他社もデザインに注力してきているが、半歩先を進みたい」とコメント、デザイン面で他社に先駆けていることを印象付けた。 ただしアツくなりすぎたがゆえのフライングも。au初のメガピクセルケータイ「A5401CA」の発表時に「他社さんはずいぶん前に発表しているが、市場には一番最初に出せるのではないか。5月の26日の週を考えている」(5月14日の記事参照)と牧氏が発言。ところが、カメラ付きケータイを最初に出した意地もあってかボーダフォンがメガピクセル搭載機「J-SH53」を特定ショップ限定で先行発売(5月21日の記事参照)。結局、ボーダフォン、ドコモに次いで最後に登場するというほろ苦いデビューになってしまった。
名実共にボーダフォンになった2003年、ボーダフォンにとっては3G開花の年になるはずだった。2002年末にダリル・グリーン社長は「2003年の契約者数目標は100万程度」と話していた(12月3日の記事参照)。 しかし3Gの本格展開が始まったのは、「V801SA」(12月1日の記事参照)が市場投入された12月から。契約者数も11月で9万3200にとどまった。グリーン社長は「上半期はメガピクセル(カメラ対応端末)以外、寂しかったかな」とコメント(11月18日の記事参照)。「3GPP標準を守るために、時間がかかったのは仕方がない」と、遅れの理由を説明している。 ただし、2004年には世界標準であることの強みを生かした展開を図っていく考え。ただし今後はNOKIA製の「Nokia 7600」、シャープの「V801SH」も控えている(11月18日の記事参照)。2004年の3G端末ラインアップに期待したい。 関連記事 「大事なのはキラープラットフォーム」とドコモ、夏野氏 ドコモの夏野氏は講演で、この春に予定している505i、そして年末に予定している次期FOMAに言及。キラーアプリケーションを考えるのではなく、それを生み出すキラープラットフォームが重要だと話した 「505iと同じくらいヒットするFOMAを投入」〜ドコモ夏野氏 これまで505iの開発に携わっていたiモード事業部が、FOMAの商品主幹も務める。今年度後半に発売するFOMAでは、「ミリオンセラーが出るようなFOMAを計画している」という "本気のFOMA"にQRコードリーダを標準搭載〜ドコモ夏野氏 自称「業界一のぶっちゃけ男」の夏野氏が、今年度後半に発売するFOMAについて言及した。QRコードリーダを標準搭載するといい、"リアル"との連携を推進したい考えだ。 今年後半のFOMAはFlashも搭載〜夏野氏 メガピクセルカメラや外部メモリよりも「一番重要なのがFlash」。ドコモの夏野氏はこう話し、カメラによるバーコード読み取り機能だけでなく、ファイルサイズを拡大したFlashを今後登場するFOMAには搭載していくという。 スクウェア・エニックス、次期FOMAにドラクエ、ファイナルファンタジーを完全移植 スクウェア・エニックスは9月25日、ドコモが来春の発売を予定している次期FOMAに、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」の第1作目を完全移植すると発表した。 年明け発売。次期FOMAの概要明かされる ドラクエ、ファイナルファンタジーのiモード移植発表会で、ドコモは次期FOMAの概要を明かした。5〜6機種が予定されており、発売は年明けの2004年早々。iアプリなどのスペックは「505i」「506i」を超えるという。 次期FOMA「x900i」は“イケてる”端末 来年頭に登場する次期FOMAは、これまでの4桁型番から現行iモード同様に型番も変更。機能的にPDCを上回るだけでなく、デザインにも注力する。イメージは「クラウンじゃなくてアルファロメオ」──“高級”から“カッコイイ”を目指す。 「505i」はFOMAへの架け橋 好調なドコモの「505iシリーズ」。しかし、ほぼ従来の倍の容量に拡大されたコンテンツサイズは、パケット料金の増大をもたらす。巨額の請求書を受け取った505iユーザーはどうするのか? “au買うのはちょっと待って”とドコモ、榎氏 このところ純増数が落ちこんでいるドコモ。この事態をよほど気にしているのか、iモード事業本部長の榎啓一氏は、“キャリア替えは来年2月のFOMAを見てからにしてほしい”とコメントした。 iモードFeliCaで実現する、こんなサービス iモード端末にFeliCaが搭載されるとどうなるのか──が具体的になってきた。ドコモはiモード搭載FeliCa端末を使ったフィールド実験を12月17日から開始、27社が具体的なサービスイメージを打ち出した。 究極のiモード〜FOMA「900i」5機種が発表 2004年2月には、FOMAの新シリーズ「900i」が登場する。カメラや端末の重さ、待受時間などさまざまな面で、ムーバと同等の仕様とし、コンテンツなどのサービス面では505iを上回る。 FOMAの3つの課題〜ドコモ立川社長 軌道に乗ってきたFOMAについて、今後の進化の方向と現状の課題を、WIRELESS JAPANで立川社長が講演した。最大の課題はサービスだと言う。 「マンナビ、積極的にやる気はない」〜ドコモ立川社長 次期BREW端末はQVGA液晶、ARM9コア〜KDDI高橋氏 WIRELESS JAPANの講演で、KDDIがこの秋に予定している端末の姿の一端が明らかになった。ARM9コアのチップを使い高速化を果たすと共に、BREW2.1を搭載。液晶もQVGA化して、GPSを使ったナビゲーション機能の強化も図るという。 800MHz帯の3G利用「auは少しズルイ」〜ドコモ立川社長 3Gサービスのために、携帯キャリア3社は2GHz帯の電波の割り当てをもらった。ドコモは、800MHz帯でもFOMAを展開していくにあたり、2GHz帯を補助的にしか使わず800MHz帯をメインとしているauをズルイと表現する。 小野寺社長「国際ローミングはKDDIが一番」 国際サービスを盛んに喧伝するドコモやJ-フォンに対して、KDDIの小野寺社長は自社の優位性を強調した。 KDDI、メガピクセルカメラ付きなど5機種を発表 auはメガピクセルカメラ搭載機、QVGA液晶搭載機、カメラ付きGLOBAL PASSPORT端末など5機種を発表した。メガピクセルカメラでは、市場一番乗りを目指す 「キラー」無きまま、J-フォンの3Gがスタート 延期を繰り返したJ-フォンの3Gが、12月20日、ついにサービスインする。W-CDMA方式の3Gに加え、GSMとのデュアルモード機も2機種準備。「Vodafone」の名を冠したブランド名も採用し、グローバルスタンダードをうたう。しかし“3Gならでは”のアプリケーションは結局用意されず、順風満帆のスタートとはいえない [後藤祥子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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