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2002年12月4日　04:53 AM 更新

「とにかく“待つ”は排除したかった」〜日立に「A5303H」を聞く（2/2）

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「第1号機を出したい」〜1年の沈黙を破って

　“クイック”という、最近のau端末の中では珍しいキーワードを備えたA5303H。しかし、これまで常にauの最新機能を先取りしてきたのが日立製端末だった。

　「PacketOne対応や、初の4和音対応、auで初のカラー対応……。新機能の“第1号機”を出したいとは常々思ってきた」と松長氏。au初のGPSケータイ「C3001H」を投入してからは、“第1号機”のお株を他機種に奪われてきたが、A5303Hでは再び地位奪還をかける。

　その1つが、au初の「着うた」対応だ（11月18日の記事参照）。データフォルダ容量は5Mバイトと、同時期に登場するカシオ計算機の「A5302CA」に比べて少ないが、液晶背面に設置されたスピーカーのクオリティは「着うた」コンテンツ提供プロバイダも認めるところ。

今年5月のビジネスシヨウで参考展示された“幻の”日立製ムービー端末（5月21日の記事参照）。時期が悪く、カメラを搭載していないためにお蔵入りになってしまったが、このとき既にSH-Mobileを搭載していた。現在は、KDDIの「Kei-Credit」の試験端末として提供を予定されている（10月16日の記事参照）

「ウルトラマン携帯」？ 際だつデザイン

　赤と銀という独特のカラーリングと、流線型を意識したスタイルで、一部メディアでは「ウルトラマン携帯」とも呼ばれたA5303H。松長氏は、この呼び名には首を傾げるものの、デザインで注目されることには歓迎している。

　「赤い端末から、このデザインは始まっている。アールをかけて、スポーツカーのカウリングのスムーズなラインを狙った」。

　発話マイクの下にアンテナも内蔵し、左右対称の未来感あるフォルムを実現。先端を絞り込むことで、27ミリという厚みを感じさせないことにも成功した。ちなみに、“27ミリ”というのは最厚部の厚み。最薄部の数値を出す端末もある中、このあたりのマジメさは日立らしさを感じるところ。

　ちなみに、26万色表示のメイン／サブディスプレイにも注目したい。「Super Fine Color TFT」と名付けられたこの液晶も日立製。「メインディスプレイの明るさは200カンデラ。メインもサブも同じ品質のものを使っている」（松長氏）。最近では200カンデラを超える明るさの液晶は珍しくなくなったが、Super Fine Color TFTの発色の良さは見事。また、背面にTFT液晶を積んだ端末も増えているが、メインディスプレイと同じクオリティの液晶を使ったのは他に類がない。

　「形であり、色であり。中身も最先端」。こう話す松長氏からは、控えめながらA5303Hへの自信がにじみ出ていた。

　SH-Mobileの搭載は、A5303Hにさまざまなメリットをもたらしたが、今後予定されているBREWとの兼ね合い、消費電力の問題など、今後にまったく課題がないわけではない。しかし、マルチメディア化が進むと共に動作が鈍くなっていく最新携帯電話の中で、A5303Hが新たな風を巻き起こすのは間違いないだろう。

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関連リンク
日立製作所
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[斎藤健二, ITmedia]

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