無償でタブレットPC対応にアップデートできる「筆ぐるめ Ver 10」

9月28日から、すでに発売されている富士ソフトABC(以後「富士ソフト」)の「筆ぐるめ」がタブレットPC対応となった。タブレットPC対応版にアップデートするには「筆ぐるめ Ver.10 TabletPC拡張キット」というパッチが必要だが、このパッチは無償で公開されている。アップデートすると、はがきの裏面(文面)に手書きのコメントなどを追加できる。ここではタブレットPCに対応した「筆ぐるめ」のインプレッションをお届けしよう。

 12月を迎え、「年の瀬」という言葉がちらほらと聞こえてくる季節になった。年賀状作成ソフトが活躍する時期だ。年賀状ソフトも続々とタブレットPCに対応しているが、富士ソフトの「筆ぐるめ」は早い段階で対応を発表したソフトである。タブレットPC対応版にアップデートするための「筆ぐるめ Ver.10 TabletPC拡張キット」は11月28日に公開され、無償でダウンロードできる。

 アップデータは富士ソフトの ダウンロードサイト からダウンロードできるが、この際、あらかじめ「筆ぐるめ」のバージョンを確認しておく必要がある。拡張キットをインストールするには、「筆ぐるめ」のバージョンがリリース1.6でなければならない。このアップデータも同サイトでダウンロードできるので、使用している「筆ぐるめ」のバージョンを確認しておこう。


アップデータは富士ソフトのダウンロードサイトから無償で入手できる。「筆ぐるめ」本体のバージョンを選ぶため、バージョンを確認しておく(クリックすると拡大します)

 年賀状ソフトは使い勝手のよさが重要なポイントとなるが、「筆ぐるめ」はウィンドウ上部にステップごとのボタンが用意されている。そのためステップを追いながら年賀状を作成でき、前のステップに戻ることも容易だ。ウィンドウの左上には「うら」と「おもて」の切り替えボタンがあり、ここで文面と宛名面を切り替える。

「筆ぐるめ」の基本画面。拡張キットによってアップデートしても内容や表示に変更はない(クリックすると拡大します)

 タブレットPC対応版で追加された機能が、裏面(文面)の「文章/差し込み」のステップだ。ここでウィンドウの下側にある「文字修飾」タブをクリックし「手書き文字」を選択することで、タブレットPCのインク機能を使用してペンによる手書きのコメントなどを書き込める。「領域追加」をクリックすることで「手書きウィンドウ」が別ウィンドウで開く。

タブレットPCの機能に対応したのは、裏面の「文章/差し込み」のステップだ。左側のウィンドウの下にある「文字修飾」を選択し、「手書き文字」を選択する(クリックすると拡大します)

「手書きウィンドウ」には、ペンの種類の選択や消しゴム、選択ツールといったタブレットPCのインク機能のボタンが並び、画像の読み込みボタンも用意される。画面の右側にはペンの太さと色の選択ボタンが並ぶ。ペン機能は筆圧に対応しているので、筆で書いたようなニュアンスも再現できる。また、画像を読み込んだ上で手書きのコメントを加えることも可能だ。

手書きウィンドウには、タブレットPCでおなじみのボタンが並ぶ。画像を読み込んでコメントなどを追加することもできる。画像はレイヤーになるので、ほかの画像要素と上下位置を変更できる(クリックすると拡大します)


画像を読み込んだ方が手書きのコメントを入れやすい。読み込み可能な画像フォーマットは豊富だ(クリックすると拡大します)

「手書き文字の終了」ボタンをクリックするとウィンドウが閉じ、手書きで入力した内容がはがきの裏面に挿入される。画像の領域として挿入されるため、移動やサイズの変更が可能だ。「手書きウィンドウ」では、すでに設定したレイアウトが表示されないため、手書きで入力した文字などがはがき上でどのくらいのサイズになるかがわかりづらい。感覚をつかむまで少し苦労しそうだ。

「手書きウィンドウ」に入力した文字などは、画像として貼付けられる。画像を選択することでサイズや位置の変更が可能だ(クリックすると拡大します)

 これまで年賀状などのコメントは、印刷後にペンなどで直接書き込むことがほとんどだった。しかし、タブレットPCに対応したことで、手書きのコメントも年賀状データとともにPCに保存できるようになった。後から「年賀状にどんなコメントを書いたかな」と確認できるメリットは大きい。また、手書きならではの微妙なニュアンスを再現することで、年賀状の表現力も大いに向上しそうだ。

▼ 富士ソフトABC

[吉澤亨史, ITmedia ]

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