LifeStyle特別対談:第1回「DLPの本質」「DLP」って何やらすごいらしい。どうも液晶プロジェクターとは違うもののようだ。なんとなく“違う”ということは知っている人も多いDLPだが、なぜDLPは他のプロジェクター方式と違うと言われるのだろうか。 黎明期からのDLPウォッチャーであるオーディオビジュアル評論家の麻倉怜士氏と、DLP最新事情に詳しいフリーランスジャーナリストの本田雅一氏が、DLPのデバイスとしての特徴・仕組み・優位性などを、3回に分けてわかりやすく紹介する。まず第1回目は「DLPの本質」について語ってもらった。 本田: 現在のDLPの仕組みに関しては、ITmediaでも以前に記事になっていましたね。でも元々のDLPは、なかなかユニークな生い立ちを持っているようです。そのあたりは麻倉さんが詳しいハズですよね。日本にDLPを紹介した最初の人物ですから。 麻倉: 最初に紹介したというと多少語弊もあるでしょうが、まだ影も形もない頃からウワサだけはあったんですよ。最初にそのウワサを聞いたのは1994年のロサンゼルスのinfocommでした。CRTでもなければ液晶でもない。何やら鏡が動いて映像が出てくるらしい。なんかすごいぞ! とね。しかも、“このチップは必ずや市場を席巻する!”とまで言われていました。 本田: 僕はそのころは映像デバイスの取材をしていませんでしたが、最初に製品レベルの映像が見えてきたのはいつ頃でしょうか? 麻倉: 1996年6月のフィラデルフィアinfocommでイギリスのデジタルプロジェクション社が大会場用プロジェクターとして出展し、映画を見せました。ミラーが動くというので、パタパタと点滅しているところが見えるハズだとかいろいろなウワサ(笑)があったんですが、そんなものは全く見えないから驚き。画素型なのに格子のないシルキータッチで、80年代の液晶プロジェクターで生まれていた“画素型は映画向きじゃない”という概念を覆しましたね。当時はDLPという言葉もなくて、DMDという素子の名前で呼んでいました。画質的にはまだまだだったのですが、この点も改善される可能性は当時から明確にありました。 本田: 80年代かどうかは定かではありませんが、昔はシャープやエプソンの液晶プロジェクターが一時マニアの間で話題になっていました。しかし液晶を使ったビデオプロジェクターは最初は数が全然出なくて、その後、パソコンでのプレゼンテーションという文化を創り、やがて液晶プロジェクターはパソコンの周辺機器になっていきました。その後、DLPもデータプロジェクターとして花開くわけですが、ホーム用のDLPはどのようにして市場が生まれたのでしょう。 麻倉: 当時は、人の目がみんなAVではなくパソコンに向いていました。液晶プロジェクターはパソコンの方に行ってしまったので、ではホーム向けはDLPで、しかも映画画質をやろうということでまったくの手弁当で「DLP World」というボランティア・イベントを主催したんですよ。こんなよいものは絶対に普及したほうがよいということで。最初は10社ぐらい集めて行いました。DLP Worldは新しいデバイスの黎明期ということで、各社とも楽しくて仕方がなかった。文化祭の雰囲気でした。ところが3回目で中止。黎明期から実際の商品で勝負する段階になって、内輪で可能性を語り合う時代が終わったんですね。そこからDLPプロジェクターは本格的に成長していくんです。 LifeStyle特別対談・第1回「DLPの本質」 読者アンケート実施中
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提供:ITmedia +D 編集部 東芝ハイビジョンDLPの世界に飛び込める1台 日本ヒューレット・パッカード機能や使い勝手に妥協しないウルトラモバイル プラスビジョン進化したモバイル性能に加えカラー再現力が大幅に向上。PLUSデジタルプロジェクタ「V-339」 ベンキュージャパンPCモニタの代替として気軽に使いたいハイコストパフォーマンスDLP機 三菱電機徹底した高画質へのこだわり デル1.09キロのボディに安心機能/保証が満載 NECビューテクノロジー小型軽量ボディで高輝度3000ルーメンを実現 カシオプレゼン作業のすべてを“スピーディ”に |