2002年の携帯はここに注目(2/2)

【国内記事】 2002年1月2日更新

前のページ

差異が分かれる現行方式携帯

 2002年のトピックは第3世代携帯電話だけではない。各キャリアが「第3世代が主流になるのは2004年」と語る通り(2001年4月の記事参照),今年も従来方式の携帯電話が主役だ。

 今年,最初に動くのはJ-フォンだ。1月に「J-5xシリーズ」を投入し,

  • パケット通信の導入(下り28.8Kbpsに)
  • 第2世代Java
  • データ保存方式の統一

 など大きな改変を行う(2001年11月の記事参照)。

 NTTドコモは今年春の「504iシリーズ」から,Javaの仕様を変更し,通信速度も下り28.8Kbpに高速化する。また主要シリーズではないが,カメラ付きの端末も検討しているもようだ。

 KDDIは,2001年12月に一足早く次世代サービス端末を投入。通信方式は現行のままで,動画配信やGPSを利用した位置情報サービスをスタートさせている(2001年11月の記事参照)。

2002年を制す機能は?

 問題はどんな機能がユーザーの心をつかむかだ。

 1つは,機能を抑え,操作系を分かりやすくした端末だ。壁紙,着メロ,ゲームといった若年層をターゲットに新機能を増やしてきた携帯電話だが,若年層市場はそろそろ飽和する。ドコモの「らくらくホンII」が好調に販売台数を伸ばし,J-フォンの「シンプルフォン」も好評なのを見ても,ここにまだ市場があるのは間違いない(2001年9月の記事参照)。

 2001年,買い換え需要を喚起した「カラー大画面」「和音着信メロディ」「折りたたみ」はどうだろうか? カラーの大画面化は既に行き着くところまで行った感もある。携帯電話のサイズを考えると,6万5000色表示の2.2インチTFT液晶で競争はいったん落ち着くとも考えられる。有機ELディスプレイを使った端末も登場を予定しているが(2001年9月の記事参照),その実力が発揮されるのは,「動画」などのアプリケーションの面でも,コストメリットを生かせる生産面でもこれからだろう(2001年10月の記事参照)。

 着信メロディは,ヤマハが40和音(2001年12月の記事参照),ロームが32和音のチップ(2001年10月の記事参照)を開発したことで,ハイエンド機の同時発音数は倍増しそうだ。しかし実際の音を聞いてみると,16和音からの大きな進歩は感じられない。3和音,4和音から16和音へは大きな違いを実感できたが,着メロ競争も16和音で一区切りつきそうだ。

 折りたたみ型は,ブラウザフォンの主流ボディデザインとして定着した感がある。今後は三洋の「スライド型」なども登場するが,定番の形は"折りたたみ"でほぼ決まりだろう。

カメラは,J-フォン vs. KDDI?

 こんな状況の中,やはり期待されるのはカメラだ。ドコモ以外のキャリアは,端末にカメラを付けさえすれば写メール的な機能を実現できる。J-フォンは,1月発売のパケット端末「J-SH51」でVGAサイズの撮影を可能にするなど,写メールの進化にも余念がない(2001年11月の記事参照)。KDDIも三洋製端末でCCD型のカメラを搭載してくる予定だ。

 ただしドコモはカメラに消極的な様子。立川敬二社長は「カメラは(FOMAの)ビジュアルフォンで十分だと思っている」とも発言しており,主流のシリーズには登載してこない可能性が高い。

 もう1つ,今後の展開が楽しみなのが位置情報サービスだ。KDDIは「GPSケータイ」の名前で2001年12月より高精度な位置情報を取得可能な携帯電話を投入している。現在のところ,まだアプリケーションは洗練されているとは言い難いが(2001年12月の記事参照),大きな可能性を持っていることは間違いない。GPS機能はKDDI端末の標準的な機能であり,ブレイクすれば"2002年の写メール"になる可能性も秘めている。

 音声用以外への展開も,2002年は数多く見られそうだ。ココセコムのように,"携帯電話であることを意識させない"無線端末の開発にKDDIは力を入れており,ノートPC一体型やPDA一体型の投入が期待される(2001年12月の記事参照)。また,ドコモも"PDA型FOMA"の投入を今年の春に予定しており,PHSに代わって携帯電話がデータ通信に進出する年にもなりそうだ。

 各キャリアがネットワークや顧客層の違いを活かしたサービスを展開する2002年だが,真っ向からの対決となるのはJava。2001年12月に新しいJavaを搭載したKDDIに続き,J-フォンもドコモも第2世代のJava端末を投入してくる(2001年12月の記事参照)。現在のところ,買い換え需要を喚起するまでには至っていないJava機能だが,キラーアプリケーション次第では,携帯必須の機能と成り得る可能性を秘めている。

関連記事
▼ J-フォン,W-CDMAの「3G国際ローミング」実験に成功
▼ J-フォンの第3世代携帯は"デュアル端末"?──Green社長
▼ テレビ電話にニーズはあるか?──3Gサービスの課題
▼ 次のターゲットは"通話をしない電話"──2002年,cdmaOneの狙い
▼ IMT-2000は誤解だらけ?
▼ FOMAの落とし穴──見えてこないコンテンツ
▼ 3大キャリアが語るIMT-2000への取り組み──主流になるのは4年後
▼ J-フォン,SDカード対応「J-SH51」,40和音ステレオサウンド「J-K51」発表
▼ KDDI,「GPSケータイ」「ムービーケータイ」を12月から発売
▼ 三洋の有機EL携帯はau向けが有力──年内目標
▼ 有機ELかTFTか?──携帯ディスプレイの未来
▼ これからの携帯に必要なもの──「シンプルフォン」の隠れた実力
▼ 次世代着メロは32和音が主流に?──CEATEC
▼ 噂の"GPSケータイ"使ってみました
▼ 次のターゲットは"通話をしない電話"──2002年,cdmaOneの狙い
▼ 第2世代の携帯Javaは何が変わるのか?

前のページ | 2/2 | 最初のページ

[斎藤健二,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!